2016年01月01日

活動報告

新しい高大連携のあり方を追究する「WEEKDAY CAMPUS VISIT」を開催しました

CoSTEPでは、科学技術コミュニケーション実践の一環として、高大連携の取り組みを行っております。その中の一つに、NPO法人NEWVERYの主催する新しい高大連携の取り組み「WEEKDAY CAMPUS VISIT」への協力があります。この「WEEKDAY CAMPUS VISIT」を、12月11日(金)に北海道大学にて開催しました。

「WEEKDAY CAMPUS VISIT」とは、高校生のキャリアデザインを支援することを目的とし、「大学とは、高等教育とはどのようなものであるか」という問いについて高校生が主体的に「仮説」を立て、それを「検証」するために、(オープンキャンパスなどではない)普段の大学の授業を体験する機会を設けるものです。

 

【概要】


タイトル:北海道大学 WEEKDAY CAMPUS VISIT
日時:12月11日(金) 9:00~17:20
場所:北海道大学札幌キャンパス
参加授業:2限『寒地環境工学』  (工学部 萩原亨先生)
     3限『国際政治』    (法学部 遠藤乾先生)
     4限『海洋生物科学Ⅱ』 (水産学部 山口篤先生)
参加高校生:佼成学園高等学校(東京)の生徒 12名
コーディネーター:倉部史記さん(NPO法人 NEWVERY WEEKDAY CAMPUS VISITプロデューサー)


 

プログラムでは、まず最初にガイダンスが行われました。ガイダンスではアイスブレイクのために身体を動かしたのですが、これは実は単なるアイスブレイクではなく、この後の内容に深く関わってくる内容でした。

アイスブレイクの後、高校生たちは北大のイメージについて意見交換します。それぞれの意見を、付箋を使って書き出していきます。

次に、これらの付箋を「学生のキャラクター」「キャンパスの環境」「授業の中味や、身につく力」「卒業後の進路、仕事」の4つの項目に分類します。

分類してみると、自分たちが北海道大学に対してどのようなイメージを持っているのかが浮き彫りになってきます。そして、この4つの項目のうち、どの部分に付箋が集中しているか、逆にあまり具体的なイメージを思い描けていないところがどこなのか、ということに気が付きます。

これらを、高校生のみなさんが北海道大学について立てた「仮説」とみなし、それを検証する目的で大学の授業に参加する、つまり、大学の授業の具体的な内容を学ぶのではなく「大学研究」をする、というのがこのWEEKDAY CAMPUS VISITのもっとも重要なコンセプトです。

 

そしていよいよ授業に参加します。まずは2限『寒地環境工学』(工学部 萩原亨先生)です。

高校生のみなさんは、工学部の専門科目が実は「高校までの理系科目」とは異なり、行政やマスメディア、世論など、社会と大きく関わっていることに気づきました。

 

2限の授業を受けた後は、キャンパスを南に移動して中央食堂で昼食をとりました。大学生が普段食事をしている場所での昼食も、高校生にとっては貴重な体験です。

 

次は3限『国際政治』(法学部 遠藤乾先生)です。

この授業では、教科書にも載っていない大変深い話を聞くことができました。高校生だけではなくコーディネーターの倉部さんも「大変勉強になった。こういう大学ならではの授業を聞けるのも、この仕事の醍醐味です」とおっしゃっていました。

 

次の教室への移動は本日で一番長い道のりです。広大な北海道大学札幌キャンパスを、南から北へと早足で移動します。

 

そして長丁場の最後は4限『海洋生物科学Ⅱ』(水産学部 山口篤先生)です。

この授業は恐らくこの日の三つの授業の中では一番難しかったことと思います。生物学の授業なのに数式や物理の方程式が出てきて、配布された資料も英語のものでした。しかし高校生のみなさんは、「生物の授業なのに数学や物理が必要だということがわかった」という発見が、大変印象的だったようでした。

 

三科目の授業への参加を終えて元の教室に戻り、全体の振り返りです。自分たちの持っていた北大へのイメージ、北大について立てた「仮説」は果たして正しかったのでしょうか?

高校生の皆さんの口からは様々な気付き、発見が語られ、大学についての理解が一段と深まったようでした。またこれらの意見は、私たち北海道大学の教員にとっても、高校生が本学をどのように捉えているのか、という大変価値のある情報になりました。

高校生のみなさん、お疲れさまでした。また倉部さん、12月5日のCoSTEPでの講義に続いての2週連続での来札、ありがとうございました。

 

CoSTEPでは、こういった取り組みを元に、これからも「高等教育と社会との橋渡し」の観点から科学技術コミュニケーションの新しい領域を開拓していきます。