2016年05月29日

授業レポート

「科学技術コミュニケーションの原点と座標軸」 5/15石村源生先生の講義レポート

青山 千穂(2016年度 選科A/会社員)

 

科学技術コミュニケーションとは何か。改めて問われると、ハッとします。

 

今日の講師はCoSTEPの石村源生先生。講義の目的は、

①科学技術コミュニケーションの意義と成り立ち、そして日本における現状を概観すること

②科学技術コミュニケーションの原点に立ち返り、目指すべき方向性とコミュニケーターの果たすべき役割を考え、

 1年間の指針とすること、です。

 

 

 

科学技術コミュニケーションって、何だろう?

 

科学技術コミュニケーションとは、非常に短く、“科学技術の専門家と社会(非専門家)の橋渡しをする双方向の活動”ということもできますが、実際にはそれにとどまらない多様な活動を内包する概念です。2005年にはCoSTEPのような教育プログラムが複数の大学で創設されたり、サイエンスカフェが全国各地で開催されたりするようになり、これをうけてこの年は「科学技術コミュニケーション元年」と呼ばれています。以前の日本の科学技術政策における社会や市民の位置付けは「科学技術の理解増進の対象」というものでしたが、科学技術コミュニケーションの考え方が導入されることによって、徐々に双方向の活動を意識した枠組みに移行しつつ今に至っています。

 

 

立ち返って…科学って?技術って?

 

科学研究の成果を実用にうつすものが技術であり、そこには科学的説明の難しい“経験”も含まれます。何が科学で何が科学でないかの境界設定問題は、科学哲学における永遠のテーマです。さらに「科学とは解けるものを解く技術」ともいわれます。つまり、科学とは”方法”なのです。

 

 

 

科学技術コミュニケーターは「キャディーさん」

 

講義の最後に、石村先生が興味深い例え話をされました。

 

“科学は、ゴルフクラブです。長距離とばすにはアイアン、転がすにはパターといったぐあいに、科学も分野によって得意なことが異なります。ゴルフクラブを使う のはゴルファー(科学者や政策決定者、市民)ですが、科学技術コミュニケーターはキャディー、つまりプレイを支援する人なのです。”

 

科学は方法である、との前提が正ならば、まさに言い得て妙!と膝を打ちました。

今日の講義を、これから1年の学びのなかで立ち返る原点、進むべき指針と心得て、前進したいと思います。