2016年07月07日

授業レポート

「サイエンスライティングの基礎」7/2 葛西先生の講義レポート

 

古澤正三(2016年度 本科/社会人)

 

サイエンスライティングの講義は CoSTEPの葛西奈津子先生の担当です。葛西先生は、イベント企画・運営、教科書・学参関係の編集を、フリーランスで手がけています。現在お住まいのニセコの自然から、新たな気づきを得る日々を過ごしているそうです。

 

 

サイエンスライティングを行う二つの立場

 

科学技術コミュニケーターのライティングは、研究者や取材内容を読み手に伝えることを目的にしています。これが「媒介者として書く」ことです。そのためには、専門家が発する専門的な言葉を、他の人にも理解しやすい言葉に置き換えて書くことが求められます。これは、子どもたちに自然現象について伝えるライティングや、外国語で書かれた書籍を母語へ翻訳することにも通じるところです。研究者自身も、自身で文章を書いて、研究をアウトリーチすることや、社会への説明責任を果たすことが求められるようになってきました。そのため、研究者や研究職を目指す大学院生にも、サイエンスライティングのスキルが必要になってきています。

 

 

サイエンスライティングの心技体


心技体は、スポーツ界でよく使う言葉です。サイエンスライティングでも、心技体のバランスが大切です。心とは視点を意味します。科学者が持っている対象の見方を、書き手自身もまた、踏まえていることが求められます。また、誰も気づいていない独自の素材を見つけることも大事です。
技はスキルを指します。「腑に落ちる」文章を書くために、言葉を選ぶスキルが重要になります。体は意欲です。ライティングは体力勝負になります。そのため書き続けるための体力や、一つのことに向かう根気が大事になります。
ライティングは、言語を扱っていく作業なので、言葉について考え、関心を寄せていく必要があります。もっとも気を遣うべきことは、どんなテーマをどのように扱うかについての「視点」と、テーマについて書きたい、伝えたいと思う「意欲」です。

 

葛西先生の講義を聞いて、ストーリー性をもつ魅力的なライティングのためには、スキルだけではなく、視点、意欲、態度が重要であることに気づきました。求められるのは広い意味での人間力です。これは、今後の科学技術コミュニケーションの学びに全体に活かすことのできることだと思います。
最後に「サイエンティフィックアドベンチャー、あるいはナチュラル・エクスプローラーという言葉を心の片隅におきながら一緒に学んでいきましょう」という言葉をいただきました。ありがとうございました。