2016年08月09日

授業レポート

「科学技術コミュニケーターの学び方」8/6 種村剛先生の講義レポート

 

千脇 美香(2016年度本科/社会人)

 

一口に学ぶといっても、様々な学び方があります。「独りで学ぶ」、「教員から学ぶ」、「共に学ぶ」。今後、我々に必要な科学技術コミュニケーターとしての学び方とは一体どのようなものか?8月6日の講義では種村剛先生(CoSTEP 特任助教)が、社会学者、教員、CoSTEP10期修了生の視点を交え、浪花節ならぬ種村節で熱く濃く語ってくださいました。

 

 

修了生の視点から語るCoSTEPでの学びについて

 

「皆さん、講義アーカイブを見ていますか?」と、突然強烈な種村節が炸裂しました。CoSTEPでは過去の講義をアーカイブし、e-Learningで視聴できるようになっています。種村先生は劇作家の平田オリザ先生の講義をe-Learningで視聴し、衝撃を受け、10期生のオープニングワークショップで演劇を使った科学技術コミュニケーションの企画を立てたと話します。

 

また、教わることは楽しく、とても「楽」だといい、「アーカイブ大事です!」と、力強く訴えていました。選科Aの集中演習で行った、演劇を用いたミニサイエンスイベントの企画、成果物としてリサーチ&ライティングや科学技術コミュニケーション(JJSC)への投稿、講義レポートの執筆など、CoSTEPをフルに活用して、学びを深めていったそうです。

 

 

なぜ今さら「学び方」なのか?

 

試験や資格のための学びには必ず終わりがあります。しかし、自分自身の成長のための学びには終わりがなく、科学技術コミュニケーションの学びは後者にあたります。では、そもそも学ぶとはいったいなんでしょうか?学ぶとは目的に到達するために何かができるようになること。そして、長く学ぶためには目的を明確にし、成長していくことだと種村先生は定義付けます。

 

学ぶ上で大切なのは、その目的と、特定の行動ができるようになるための達成目標を押さえておくことです。さらに、「知識」(記述や説明ができ、わかること)、「技能」(できること)、「態度」(してみたい、やりたいという気持ちを持つこと)をうまく関連付けていくことも重要です。

 

 

CoSTEPの学びにどうつなげていけばよいのか?

 

「知識」「技能」「態度」はCoSTEPでの講義、演習、実習から身につけられます。では、講義では、どうしたら「知識」「技能」「態度」をうまく関連付けながら習得できるのでしょうか?「知識」を身につけるために、種村先生は恩師である、吉田民人先生の「吉田ゼミナール基本法13条」を示してくださいました。それによると、第1条では、具体例を出すことによって、自分の言葉になると示されています。第2条、第3条では「分かる」とはどのようなことであるかが書かれています。さらに、第4条から第10条には、価値の問題をどのように扱っていくのかが明記されており、これは科学技術コミュニケーターとして活動していくために大いに参考になる部分だと感じました。

 

「技能」を学ぶ近道は、「メモを取ること」だと種村先生はおっしゃいます。メモ力を高めていけば、講義の内容を自分の中でストーリーやイメージに落とし込むことができ、他者の多様な価値観が学べます。メモのスキルを向上させると、ファシリテーショングラフィックも上達するそうです。最後に、「態度」を学ぶには、講師の生き方に共感するのがよいとのことでした。

 

 

独りで学ぶ?教員から学ぶ?共に学ぶ?

 

独りで学ぶことの重要性は、「内省」にあります。プロセスや成果を自分で内省することで、次の勉強の機会がこれまでよりも深いものになります。内省する時間を日々の習慣とすることで、学びをいっそう深めていけます。

 

教員から学ぶことのメリットはとても「楽」だということです。教員と接する中で、とにかくなんでもいいので、「先生から今日これを学ぶことができた!」と思える何かをひとつ見つけられるように意識を変えるだけで、得られるものの質が格段に上がります。共に学ぶことは、共に教えることでもあり、教えることは最強の学びであるという種村先生の言葉にはとても強い説得力を感じました。

 

今回の講義を通じ、科学技術コミュニケーターとして学び続けるにはどうしたらよいのか?成長し続ける学びとはなんなのか?種村先生の実体験を基にしたエピソードを聞くことで、私たち受講生がCoSTEPでの学びを最大限活用し、自分を成長させるための具体的なステップがよく分かりました。

 

種村先生、ありがとうございました。

 

(種村先生のイニシャル、Tのポーズで記念撮影)