2016年12月12日

授業レポート

「宇宙開発と国際政治」11/30 鈴木一人先生の講義レポート

 

小林良彦(2016年度 選科B/学生)

 

どうやら、宇宙は私たちに科学のロマンを与えてくれるだけではないようです。今回の講義タイトルは『宇宙開発と国際政治』。鈴木一人先生(北海道大学公共政策大学院 教授)が宇宙開発の背景にある政治について講義して下さいました。

 

ロケットはミサイルから生まれた
 

宇宙といえばロケット。そのロケット開発はミサイル技術が始まりでした。成果として世界に初めて披露されたのがソ連のスプートニク1号です。駆け巡った衝撃は予想を越え、米ソ宇宙競争時代の火蓋が切られました。両国は莫大な資金と人を導入し、ロケットや衛星の開発を推し進めました。それは私たち人類に、地球が青いこと教えてくれ、月の石を見せてくれました。

 

 

ソフトパワーを合わせ持つ宇宙開発


宇宙開発にはハードパワーとソフトパワーの両側面があります。ハードパワーとは軍事力や経済力のことを指します。では、ソフトパワーとは何か。それはすなわち、国威を発揚する力です。宇宙開発は、その国の技術や存在感のデモンストレーションとなるのです。だから、アメリカとソ連は一時期、猛烈な競争を繰り広げました。そして、今の中国はそれに追いつけ追い越せと宇宙開発を進めています。

 

宇宙開発から生まれた社会インフラ


軍事システムが社会インフラになることもあります。その代表例が、測位衛星を用いたGPSです。GPSは元々、アメリカが軍事システムとして開発したもので、今日では民生用にも活用されています。カーナビやスマートフォンアプリもその例です。もし、有事によってアメリカがこのシステムを非公開にすれば、それらは使用できなくなってしまうのです。

 

 

宇宙開発の技術は拡散している


今や民間企業でも宇宙開発ができる時代に入りました。一部の国の一部の人しか携われないものではなくなりました。ここで留意せねばいけないのは、使われている技術が民生用でも軍事用でも変わりないものであることです。そのため、宇宙開発の過程で、民間人が国の軍事に触れてしまうことが起こり得るのです。

 

 

宇宙はもはや遠くにある憧れではない


科学技術は独立している訳ではなく、政治の中に埋め込まれている存在であると講義を通して感じることができました。だから、科学技術を学ぶ人にとっても政治的な側面を学ぶことが重要となります。
科学技術コミュニケーターは宇宙とどのように関わっていくべきでしょうか?鈴木先生が見せてくれた『宇宙開発と国際政治』と共に、考えてみる必要がありそうです。
鈴木一人先生、ありがとうございました。