2016年12月31日

活動報告

SAPPORO DESIGN WEEK 2016 出展企画「チ・カ・ホ農学校2 ~細胞の中はどんな世界?作って、見よう!~」を開催しました。(1/2)

 

10月23日(日)、CoSTEP12期Webデザイン実習班は、札幌市の地下の大動脈である、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)にて、子ども向けのサイエンスワークショップを開催しました。

 

【CoSTEP12期生Webデザイン実習班】

上林菜月/日下 葵/高橋小春

永森彩奈/八木千文/道藤 俊

 

本イベントは、日常生活で意識することの少ない細胞の魅力を伝えるべく、小中学生を対象とした体験型のサイエンスワークショップです。昨年実施した、CoSTEP11期デザイン実習班の「チ・カ・ホ農学校 ~細胞工作研究所で作って、学ぼう!~」がたいへん好評だったため、それをブラッシュアップする形で進めました。テーマは「細胞を身近に感じてもらう」です。

 

昨年同様、フックとなるのはガチャポンによる細胞の模型(以下、細胞カプセル)の作成です。それに加え、今年はバーチャルリアリティー(VR)を用いた細胞内部の疑似体験もできるようにしました。他にも、55型の液晶ディスプレイを駆使した細胞のホログラム映像を展示し、細胞がより身近に感じられる工夫を施しました。

 

(準備前のミーティング。スタッフの顔は真剣そのもの)

 

(開始前から、この行列)

 

細胞カプセル、ゲットだぜ!

 

朝日新聞や北海道新聞、いいね!Hokudai(CoSTEPが運営するウェブメディア)といった各種媒体で事前の広報活動を行ったせいか、開始前から長い行列が出来ていました。受付ではスタンプカードをもらった後、宇宙人を模したガチャ箱の取っ手を回し、ガチャポンをひくことができます。手に入れたガチャポンには核やミトコンドリアといった細胞内小器官のパーツが封入されています。パーツには個体差があり、どんなものが入っているかは実際に手に取るまで分かりません。このワクワクドキドキ感がガチャポンの醍醐味です。

 

(ガチャ箱にガチャポンを投入するスタッフ)

 

(ガチャポンをひく、子ども。なにがでてくるかな?)

 

(スタンプカードを全部埋めると、最後にきっといいことがあるはず...。)

 

ガチャポンを受け取った子どもたちはおにいさん、おねえさんによるミトコンドリアや葉緑体などの説明を受けながら、ペンで色を塗ったりボンドで部品を付けたりして細胞をデザインしていきます。最後にピカピカ光るLEDライトを取り付けると、世界に一つだけの細胞カプセルの完成です。参加してくれた子どもたちは自分のカプセルを嬉しそうに手に持っていました。

 

(白衣を着たおにいさん、おねえさんが細胞の仕組みを丁寧に教えます。)

 

(パチっとカプセルをはめたら、細胞カプセルの完成!)

 

(細胞カプセルは親子でも楽しめます。)

 

細胞の世界に入って、見よう!

 

2016年はバーチャルリアリティ(以下、VR)元年といわれています。VRとは頭部にヘッドマウントディスプレイを装着して、360度の世界を体験するシステムのことをいいます。Webデザイン実習ではVRコンテンツの制作手法を学んでいたため、本イベントのテーマに合わせ、細胞の内側に入り込めるコンテンツを作りました。細胞カプセルを完成させ、細胞に関する知識を学んだ子どもたちの記憶の定着を促すため、細胞を体験してもらうのが狙いです。

 

(細胞の世界に入り込めるVRコンテンツ。イラストと文字で構成して、学習効果を高めています。)

 

(VRゴーグルの内部にスマートフォンを設置して、VRコンテンツを表示させています。)

 

VRコンテンツはGoogleのカードボードという仕組みを採用し、HTMLとJavascriptを駆使して作りました。デザインはリアリティを追求する方針ではなく、子どもたちに楽しく体験してもらえるよう、ポップなものにしました。子どもたちは、ダイナミックに動くコンテンツを見て興奮していました。首を回したり、身体をひねったりして、細胞の世界を楽しんだようです。

 

(VRゴーグルを装着して、VRコンテンツを楽しむ子どもたち)

 

まだまだ、知らないことがいっぱい!

 

「ひとのからだにはながさ100㎝のサイボウがある?」
「植物がまっすぐ立っているのはホネが入っているからである?」

 

VRコンテンツの次は○×クイズに挑戦です。盛り上げ上手のお姉さんが出題する身近な生き物や食べ物、iPS細胞に関する問題に、子どもたちは悩みに悩んで○か×を回答します。正解した子どもたちは両手を上げて喜んでいました。難しい問題があって、間違えることもありますが、解答後にはちゃんと丁寧な解説があるので、分からないまま終わる心配はありません。時には、保護者の方が思わず「へ~、そうなんだ」と驚くような問題もあり、親子で楽しめるクイズになりました。

 

(二名のスタッフが軽快なトークを交えながら、クイズを出題しました。軽快すぎて、親御さんが大爆笑することも。)

 

(スケッチブックにたくさんのクイズを用意しました。)

 

空中に浮かぶ動画にビックリ

 

展示作品として、チ・カ・ホを行き交う人の注目を集めていたのが、疑似ホログラム装置です。ホログラムというと、映画「スターウォーズ ~新たなる希望~」の冒頭で、レイア姫が助けを呼ぶホログラムが有名です。本イベントのホログラムは55型の液晶ディスプレイに映し出した動画をアクリル板に反射させて、まるで空中に浮いているかのように見せています。

 

(疑似ホログラム装置の全体像。アクリル板を逆ピラミッド型に貼り合わせるところから作業を行いました。)

 

(ミトコンドリアのイラストを映し出している様子。あたかも空中に浮かんでいるように見えます。)

 

アクリル板は逆ピラミッド型に貼り合わせられていて、4面の内どの面から見ても同じ動画を見ることができる仕組みになっています。VRコンテンツでは360度の世界観を体験してもらいましたが、ホログラムを通じて類似の体験ができるよう配慮しています。VRゴーグルを使わなくても、細胞カプセルや細胞小器官、CoSTEPのロゴの動画が幻想的に映るため、子どもも大人も足を止めて、不思議そうに眺めているのがたいへん印象的でした。

 

(興味を持って見入っている親子連れに、ホログラムの仕組みを説明するスタッフ)

 

全エリアをコンプリートしたら、虹色細胞カプセルにレベルアップ!

 

受付でスタンプカードを受け取った子どもたちは、細胞カプセルエリア、VRコンテンツエリア、○×クイズエリアを通過するたびにスタンプを押してもらいます。3つ全てのスタンプを押してもらった子どもたちは虹色に光るLEDをゲットすることができます。LEDの付替え作業の合間、保護者の方にはアンケートにご協力いただきました。また、顔はめパネルを使って記念撮影もしてもらいました。七色のLEDが点灯した瞬間の子どもたちのほころんだ顔は、今でも忘れることが出来ません。

 

(コンプリートした子どもにはおにいさん、おねえさんから虹色LEDがプレゼントされます。)

 

(細胞の中に入る体験をしたことがイメージできるよう、顔はめパネルを活用しました。顔はめ状態で記念撮影ができます。)

 

イベントを振り返って

 

10月23日に実施された、本イベントは夏から準備をしてきました。特に、10月に入ってからは毎日のように集まって、展示物の完成イメージについて何度も話し合いを重ねながら、制作に励みました。時には失敗することもありましたが、Webデザイン実習メンバーの持ち前の明るさとガッツを発揮し、相互に助け合いながら、粘り強く一歩ずつ前に進んできました。

 

(熱心に細胞カプセルの工作を行う子ども)

 

(子どもに付き添いながら、親御さんも細胞についてのレクチャーに耳を傾けていました。)

 

2015年度のデザイン実習メンバーが残した細胞カプセルの成果をさらに高め、VRコンテンツや疑似ホログラムといった新機軸の企画を盛り込んだ結果、子どもたちは楽しみながら、細胞についての深い学びを得ることができたのではないかと考えています。

 

(子どもにVRゴーグルの使い方を説明するスタッフ)

 

前年度に比べ大規模なイベントになり、子どもたちの集まり具合を心配していましたが、それはまったくの杞憂でした。細胞カプセルを入り口にして、VRコンテンツエリアにおいても、○✕クイズエリアにおいても、途中で飽きて帰る子どもはいませんでした。この点を考えると、本イベントの“場のデザイン”はある程度成功したものと考えられます。

 

(スタッフ用ユニフォームもデザインしました。)

 

また、子ども対象で先着100名のイベントでしたが、2時間の実施時間ちょうどで予定の人数を達成することができました。イベントの規模感や与えられた時間、子どもたちの動きなどを細かく検討しながら、規定の時間内に収まるよう段取りを組んだ結果、たどりついた成果です。一言でいうなら、“時間のデザイン”です。

 

CoSTEPの受講生は科学技術コミュニケーターになるべく日々学んでいます。科学技術コミュニケーターは市民と研究者(専門家)をつなぐ存在です。本イベントの場合、市民は子どもとその親、研究者が細胞についての知識を持った受講生自身でした。本イベントでは“場のデザイン”と“時間のデザイン”をそれぞれ成立させながら、細胞について子どもたちや親御さんと受講生が相互にコミュニケーションをとることができました。この成果は次につながるものであると考えます。

 

 

本イベントはWebデザイン実習担当の村井貴先生、池田貴子先生をはじめ、以下のCoSTEP受講生にご協力をいただきました。この場を借りて、深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

【対話の場の創造実習】 安孫子友祐さん/片島幹太さん/栗原利奈さん/越谷由紀さん/近藤あずささん/古澤正三さん
【映像メディア実習】 山本淳博さん
【選科A】 手島駿さん
【CoSTEP修了生】 池田陽さん/苫米地由香さん

*イベントレポート公開にあたり、参加者の写真及びアンケート結果の掲載許可は事前にいただいております。

 


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