2017年03月31日

受講生体験記

映像メディアを通じて学んだ一年

CoSTEPを初めて知ったのは、北大理学部時代に所属していたサークルの先輩から来た取材依頼でした。その時は太陽についての冊子を作るというものでしたが、文系理系を問わない多様な分野を織り込んだ内容でした。同じ対象であっても見方は様々であることを実感し、効果的に伝える方法を学びたいとCoSTEPの受講を決めました。

 

どの実習を学ぼうと思った時に、正直どれを学べばいいのか迷い続けて、申し込み締め切りのギリギリまで考えました。決め手になったのは、自分の強みが写真撮影だと気づいたことです。メディアとして発信していくにあたって、映像表現も学んでみたいと考え「映像メディア実習」を選びました。

学部生の頃は隕石の岩石学的な記載や酸素同位体の分析と言った、おそらく同じ理系でも聞いただけでは何の研究なのかわからないようなことをしていました。大学院でも氷河の研究をしており、「学部時代、もしくは大学院での研究は?」と聞かれた時にどうやって説明しようかをいつも悩んでいます。しかし、自分のやっている科学を他の人にわかりやすく伝えるという事こそが科学コミュニケーションの根底ならば、こういう普通の会話での印象が実は重要なのではないかと気づきました。

 

この1年間やってきたことと言えば、映像編集よりも撮影する方が多かった気がします。というのも、自分の制作テーマが「スイス・氷河実習」という授業の様子を一人で撮らなければいけなかったからです。この授業では、実際にスイスに行き、氷河とは何かを授業や観測を通して体験します。
この実習を紹介しようと決めた 理由は、大学院生であればいくチャンスが等しくあるのに専門じゃないからという理由で受けない、もしくは存在を知らないという人が多くて、少しでもこの授業の魅力を広めたいと考えたからです。
実習はもちろん自分の研究紹介も兼ねていたので、どのような映像にすればいいのか、何を撮ってくればいいのか、どうまとめるのがいいのかを常に考えていました。写真や動画の出し方や字幕などで捉えられる内容が変わってくることもあり、早岡先生の指導のもと、何とか完成しました。

 

 

映像メディア実習で得られた経験の一つに、リスクコミュニケーションの学びもありました。福島県川内村を始めとする福島第一原発事故による避難区域を見学する機会があり、これは行かねばならんとすぐに飛びつきました。新聞などの文字媒体や写真では知っているつもりではありましたが、実際にお話を伺うと顔の表情や話し方といった、実際にお会いしなければわからないこと非言語的な情報も多く、映像というツールがいかに強力な媒体であるかを知りました。

 

CoSTEPでは演習や実習で、科学コミュニケーションを実践的に学ぶことができました。12期生同士の仲も良いため、遠慮なくお互いの意見をぶつけ合うことも出来ました。また映像記録係としてサイエンスカフェの運営に携わったり、自分のことを記事に書くといった、映像実習以外でも学ぶ機会がたくさんありました。というわけで、無事修了出来ましたが、これから学んだことをどう活かしていくかを考えていきたいです(という感想を胸に今、南米で撮影をしています)。

 

山本 淳博(本科 映像メディア実習)
北海道大学大学院環境科学院修士1年