2017年06月14日

授業レポート

「事例研究という方法」5/20三上直之先生の講義レポート

 

梅本里穂(2017年度 選科A / 学生)

 

 今回の講義は三上直之先生 (北海道大学 高等教育推進機構 准教授)の「事例研究という方法」でした。三上先生は、環境技術社会論や環境社会学が専門です。事例研究のやり方が科学技術コミュニケーションを学んでいく上で有力な方法であること、事例研究を用いて科学技術コミュニケーション学ぶ方法を教えて頂きました。

 

 

事例研究とは何か

 事例研究とは、ある話題の特定の事例を対象に、データ(インタビュー調査の結果、資料)を収集し、事例を記述・分析することです。具体的な事例に即して対象の話題を考えることで、普遍的な論点を洗い出せるというメリットがあります。即ち、社会における科学技術コミュニケーションを考える時にも事例研究は有用であります。

 

 

事例研究の紹介

 科学技術コミュニケーションに関する過去の事例研究例として、エネルギー政策に関する討論型世論調査、パブリックコメント、食品安全評価、サイエンスイラストレーション、サイエンス・アートが挙げられます。これらは、議事録分析、会話分析、参与観察、頻出キーワードのネットワーク分析といった方法が使われました。

 

エネルギー政策への市民参加を例にあげている三上先生

 

事例研究で学ぶ方法

 科学技術コミュニケーションを事例研究で学んでいく方法は、大きく2つあります。

1つ目は、事例研究を読むことです。CoSTEPが発行している『科学技術コミュニケーション』を始めとして、科学技術コミュニケーションの事例は、数多く公開されています。これらを通して、事例を知ることで、科学技術コミュニケーションにおけるアイディアを得られ、また、自分の活動にも生かすことができます。

2つ目は、自らの活動を事例研究として論文を書くことです。論文を書くことにより、科学技術コミュニケーションの普遍的な問題となる問いに気が付けます。さらに、言語化により、活動の意識や課題を再認識できる、活動を外部に知らせることができます。

 

『科学技術コミュニケーション』を手に説明する三上先生

 

論文を書く

 論文を書く際に重要なことは、対象とする事例を決めた後、問題意識を明確にすることです。事例研究の論文では、オリジナリティな考察が重視されます。論文によって、どのような新しい貢献をするのかが面白いことでもあり、かつ難しくもあります。

 

学びの姿勢

 事例研究を行うにあたって、事例が必要不可欠です。日常で、科学技術コミュニケーション上にどのような問題があるかアンテナを張っていくことが重要になります。また、研究を続けたり、論文を書いたりする時には、スランプに陥ることがあるでしょう。そんな時、支え合える仲間がいると活力になります。

 

 

 これからの科学技術コミュニケーションの学びに事例研究も取り入れていきたいと思わされた講義でした。

 三上先生、ありがとうございました。