2018年08月04日

活動報告

「お茶会を活用した科学技術コミュニケーション」授業を行いました

 

北海道サマーインスティテュートで開催している授業「How to utilize Japanese Traditional Culture, ”Tea Ceremony” for Science Communication」を開催しました。本授業はお茶室空間を用いて参加者と専門者が対話する「差の湯の会」と連動し、留学生が自ら自分の研究を説明し、そこでの対話を対話後に質的研究手法で分析する授業です。7月30日から8月3日の一週間にわたって開催された本授業。全ての授業は英語で行われ、海外からの留学生と北大生合わせて5名が受講しました。

 

講師は、質的研究のレコーディング部分を法政大学の森幹彦先生、質的研究の分析部分をワークショップデザイン研究所の北野清晃先生、差の湯の会を開催するお茶室「差室」の部分のコンセプトをアーティストの阿部乳坊先生、全体構成とサイエンスコミュニケーションの部分をCoSTEPの奥本素子、朴炫貞が講師を勤めました。

 

科学技術コミュニケーションや質的研究、日本のお茶文化についてのレクチャーを受けた後、学生は自分の研究をどう伝えるのかということを考えていきました。

 

(サイエンスコミュニケーションに関するレクチャーをする奥本)

 

(ワークショップ中の記録について語る森先生)

 

(ヴィジュアルコミュニケーションについて語る朴)

 

(事例を通して質的分析について講義する北野先生)

 

(差室のデザインについてのレクチャーは差室の中で行われた)

 

その後、実際に差の湯の会に参加し、自らの研究を対話形式で客と共に語り合いました。

 

(受講生による差の湯の会の様子)写真:国際広報課 Tyler Tannert氏

 

差の湯の会終了後は差の湯の会の対話場面を撮影した動画を見返し、エスノメソドロジーという手法で自分たちの対話の様子を分析していきました。ここでの分析とは、自分の発言によって聞き手がどのように非言語も含めて反応し、それが対話としてどのような機能を生み出しているのかという、コミュニケーション分析です。

 

 

(受講生による分析結果の発表)

 

学生による分析結果を発表では、問いかけは単に「質問」の機能だけでなく「了解」や「解釈」の機能を持つということ、話し手だけじゃなく聞き手の反応によって話が動いていくことなど、普段は気が付かなかった対話の詳細な機能や性質への気づきが語られました。

 

対話を通したコミュニケーションの実践と評価を1週間で学び、学生からは質的分析の手法を学ぶことによってコミュニケーションを新しい視点で見ることができた、お茶室内での対話はとても話しやすく場のデザインがコミュニケーションを支援するということを実感したという感想があがりました。

講師陣にとっても、質的分析を1週間で学ぶということはチャレンジングな試みだったのですが、学生達の分析は詳細でコミュニケーションからの学びにおいてこの質的分析を用いるという試みが機能したことを実感しました。

 

本授業の英語記事が、北大の英語サイトに掲載されています。そちらも合わせてご覧ください。

https://www.global.hokudai.ac.jp/blog/hsi-report-expressing-science-through-tea-ceremony/