2019年01月24日

授業レポート

「科学番組を作る視点 ~理系文系の壁をこえて~」(1/12)高山晶子先生の講義レポート

 

大澤康太郎(2018年度本科/学生)

 

今回は、高山晶子先生に「科学番組を作る視点 ~理系文系の壁をこえて~」というタイトルで講義をしていただきました。 

 

「サイエンスZERO」制作に長年手掛けてきた高山先生

 

高山先生のお仕事は?

高山先生は普段、「サイエンスZERO」のディレクターして年に六本程度、科学番組を作っています。CoSTEP受講生のみならず、この文章を読んでいるあなたもきっと一度は見たことあるんじゃないでしょうか?最近では「世界で最も精密 光格子時計」や「解き明かされる“音楽の真の力”」等を手掛けられています。高山さんは歴代のディレクターの中でもトップクラス、なんと60本ものテーマを担当されてきました。

 

実は文系出身

そんな高山先生、理系の大学院卒も多いようなサイエンスZEROのディレクターの中では珍しい「文系出身」なんだとか。今回の講義の中ではまず、「文系だからこそできる科学番組の編集術」のお話しを聞かせていただくことができました。

高山先生によると、科学番組の中で重要なことは「一般にも分かり易い、“ストーリー”を紡いでいくこと」だそうです。その点で高山さんは、文系出身としての自分の特性を活かした番組作りをしているそうです。取材の中で得られるバラバラのピースから、ストーリーを構成して番組を作る、という視点は、現在の自分の対話班での活動にも必要なものだと、大変興味深く聞かせていただきました。

 

好きなワインを科学で解き明かす番組制作について説明されていました

 

好きなものを科学する

そしてそういった「ストーリーを作る能力」があれば、自分の好きな分野での科学番組の制作も可能になります。ワイン好きな高山先生ご自身の作品である「秋の夜長のワイン夜話  香りのヒミツ大解明!」を参考に、科学番組の序→中心→発展の流れを細かく解説していただく中で、「好きなものを科学するコツ」としてのストーリー構成の方法について伺うことができました

 

ノーベル賞絡みの番組リスト。受賞予想が当たることも多いそうです

 

ノーベル賞を予想する……???

また、今回は長年科学番組を制作する経験の中で先生が感じられている「ノーベル賞を予想する秘訣」についてもお話を伺いました。ノーベル賞を予想する、というのは科学番組の制作者にとってもとても重要です。まず第一にその予想能力は、ノーベル賞を受賞しそうな研究がわかるくらい科学の中での流行や研究、技術の重要度に対して気を配っているということを意味します。加えて、受賞が決まる前から詳細に取材を重ねたりその分野の勉強をすることによって、ノーベル賞発表後できるだけ早く特集番組を制作できるようになるからです。

高山先生は過去に、ノーベル賞を受賞された「オートファジー」や「発光生物」の研究等を事前に取材し、一年以上前に放送していたこともあったそうです。さすがサイエンスZERO、最先端や重要研究を追う準備も整っているのだなと一視聴者としても大変感動いたしました。

 

取材の裏話も聞くことができました

 

まとめに

 その他にも、「ノーベル賞受賞者の先生方は人柄もよい人が多い」や、歴代の番組出演者、アシスタントの方々のタイプの違いなどの裏話も含めた大変興味深いお話しをたくさんしていただきました。「番組制作」という手法に限って言えば、すぐに行う/行えるという人は少なかったかもしれませんが、先生の独自の視点の中には現在の私たちそれぞれの行おうとしている手法に役立つようなエッセンスがたくさん詰まっていた講義だったと思います。「ストーリー」というのは当然ながら、イベントにも文章にも必要な要素ですよね。

 

終了後には懇親会も開かれ、ちょっと遅めの時間までお付き合いいただき、普段聞けないような(そしてこういう文章には載せ方が難しいようなお話まで……!)お話を聞け大満足の受講生が多いのではないでしょうか?

高山晶子先生、ありがとうございました。