2019年03月01日

活動報告

ゲーム × ワークショップ「THE RULE 〜生態系をつくる 編〜」を開催しました【ワークショップ編】

 

大澤 康太郎(2018年度 本科/学生)

 

2018年2月17日(日)、オリジナルのゲーム“THE RULE”を用いたワークショップ「THE RULE 〜生態系をつくる編〜」を開催しました。会場は、インテリア雑貨や家具を販売するThe JOHNSON STORE内のワークショップスペース「WORK A&B」。店内から中が覗けるようガラス張りとなっている、とても素敵な空間です。今回は、会場探しから対話の場の創造実習の受講生で行いましたが、担当の方々もやさしく、はりきってワークショップに臨むことができました。プレイヤー(参加者)は24人。1チーム4名の全6チームに分かれてゲームを進めていきます。

 

(入り口からすでにおしゃれです)

 


"THE RULE”とは

 

“THE RULE”は、ブロックを使った立体陣取りゲームで、「ベーシックなルールに、プレイヤー自身がルールを創り、付け加えていく」という点が最大の特徴です。そんな“THE RULE”では、ルール作りを通して科学の手法の一つである「モデリング=複雑な現実、つまり自然や事柄などを単純化したモデルを作ること」を体験することができます。

 

今回のワークショップでは、
 ①ベーシックルールをプレイする
 ②ルール作成を体験する
 ③作成したルールをプレイする
という流れでプレイヤーの皆さんにゲームを進めてもらいました。2時間という短い時間対して内容が盛りだくさんだったのですが、皆さん一生懸命、そして楽しそうに参加して下さり、大変進行しやすかったです(完全にMC目線……笑)。

 


“THE RULE”のベーシックルールを覚えよう

 

まずは、ワークショップの概要説明とベーシックなルールの説明。そして、いよいよゲームプレイが始まります。各グループに1セット“THE RULE”が配られると、ワイワイ楽しそうに中身を確認されていました。そして、“THE RULE”の基本ルールに慣れるための、ベーシックプレイが始まります。スタッフに聞いたり、ルールシートでルールを確認したりしながらゲームを進めていきます。

 

基本的には、各自が担当する色のブロックを順にプレイボードに配置して行き、誰かが全てのブロックを配置し終わった後に、上から見た際のブロックの数を集計し、最も自分の色のブロック数が多いプレイヤーが勝者となります。

 

(OPEN “THE RULE”!これからゲームが始まります)

 

 

モデリングを試みる

 

ベーシックなルールを覚えたら、ワークショップのメインパートである「ルール作成の体験」です。今回は生態系をテーマにルール作成を体験してもらいます。プレイヤーには、ただ単にルールを創るだけでなく、「生態系を再現できるような、つまりモデリングするようなルールを創ってください」という指令が与えられます。具体的には「ゲームをプレイした結果、勝者と敗者の陣地の差が小さくなるようなルールを創って、4種の生き物の均衡を図る」ということになります。生態系の中で、生き物たちが簡単に絶滅したりせず、皆バランスをとって生き残るよね、ということをイメージした指令です。

 

イキモノパネルに描かれた、北海道に生息する4種の生き物(ヒグマ、エゾシカ、アキタブキ、ヤケヤスデ)の特徴を再現するようにルールカードを使ってルールを創っていきますが、特徴を再現するだけではなく出された指令をクリアすることを目指さなければなりません。チーム内では共通の目的に向かって自然と対話が生まれ、試行を繰り返しながらルールを創っていました。

 

(今回「モデリングされる」生物種を示したイキモノパネル)

 

(中央にあるのがルールカード。ある程度の制約があることで指針が見えてきます)

 


ルール作成の結果は……?

 

ルール作成が終わると、チームメンバーをシャッフルして、他のチームが創ったルールでゲームをプレイします。今度は各プレイヤーが「自分が担当する生物種が生き残り、勢力を拡大する」という目的を持ってプレイに臨みます。つまり「均衡をとりたいルール←→独り勝ちしたいプレイヤー」という構造になっています。一生懸命プレイしていただけたことはもちろんですが、プレイヤー同士の会話の中で、創られたルールが生態系において何を意味をするのか、独自に解釈するような対話が起きていたことがとても嬉しく印象的でした。

 

プレイ後、は最初のチームに戻って行われたゲームの振り返りが行われます。それぞれのテーブルで、生態系の均衡は保たれたのでしょうか。皆さん、よほど自分たちのチームが創ったルールの結果が気になっていたのか、足早にもとのチームに戻っていくプレイヤーがたくさん見られました。プレイ結果を見て、「ここのルールはこうしたらよかった」、「このルールはうまく機能した」など多くの意見が飛び交っていました。

 

最後に結果発表。最も多く陣地を広げた人、そして最も均衡が取れたルールを創ったチームを讃え、“THE RULE”のオリジナルキャラクター“ムアール=ゴリス”のステッカーが贈られました。

 

(生き残りを賭けて戦う「プレイヤー」が勝つのか、それとも上手く創られた「ルール」が勝るのか)

 

(優勝はこちらのチーム。手にはムアール=ゴリスのステッカーが!)

 


まとめ

 

最後に、ワークショップのまとめとして、「今日、何ができなかったのか」ということを確認しました。ゲームの中で、完璧に生態系を再現することはできません。それは、“THE RULE”がゲームだからではなく、そもそもモデル自体が「複雑な現実から、様々な要素をそぎ落として単純にするもの」だからです。そしてそれこそが今回のワークショップの最大のテーマでした。

 

(「何ができたのか」ではなく「何ができなかったのか」考える)

 

ワークショップ終了後にもプレイヤーの皆さんに感想戦を繰り広げていただけたのは、本当に嬉しい事です。
今回のテーマは生態系でしたが、今後もテーマを変えて“THE RULE”ワークショップをできたらな、という野望があります。その時もぜひ、ご参加くださいね!

 

 

対話の場の創造実習 THE GAME:岩澤 大地、大澤 康太郎、熊谷 まりな、吉本 拓郎、米田 鈴枝、古澤 輝由

 

 

*後日、「“THE RULE”はどのように誕生したのか」、そして「“THE RULE”とはどのようなゲームなのか」をテーマにした後編レポート【ゲーム作成編】を掲載します。