2013年03月20日

活動報告

シンポジウム「社会の中のiPS細胞 〜私たちは先端科学技術とどう向き合えばよいのか〜」が開催されました

3月9日13:30より北海道大学学術交流会館において、シンポジウム「社会の中のiPS細胞 〜私たちは先端科学技術とどう向き合えばよいのか〜」が開催されました。
 
ゲストに八代嘉美さん(慶應義塾大学医学部・特任准教授)、栃内新さん(北海道大学理学研究院・教授)、八田浩輔(さん(毎日新聞科学環境部・記者)をお迎えし、それぞれの立場から、私たちの社会におけるiPS細胞研究の意義と課題について語っていただきました。
前半は、それぞれのゲストの方から話題提供をいただきました。
 
まず八代さんには、議論のベースとなるiPS細胞・再生医療についての基礎的な解説を行っていただいた上で、iPS細胞研究・再生医療の現在と将来展望について語っていただきました。コンパクトで大変わかりやすいお話で、まさに八代さんの講演自体が、科学技術コミュニケーターを目指すCoSTEPの受講生にとってお手本となるようなものでした。

次に、栃内さんには、ご専門である発生生物学の歴史という観点から、iPS細胞研究・再生医療を俯瞰したときに見えてくる50年、100年先の社会の可能性、その時生まれてくるかもしれない私たちの経験したことのない課題について、問題提起をしていただきました。「あなたは何歳まで生きたいですか?」という会場への問いかけは大変印象深く、かつ我々の「生命観」「死生観」を改めて考えさせるものであったことが、シンポジウム終了後のアンケート結果からもうかがえました。

 最後に八田さんからは、豊富な取材の経験から、iPS細胞研究・再生医療を取り巻く患者、医療従事者、企業といったステークホルダーの現状について、報道の現場にいらっしゃるプロフェッショナルならではの、大変リアルで貴重な情報提供をいただきました。その中で、現在進行形で、なおかつ社会的に議論の分かれる先端技術の取材や報道のあり方について、示唆に富むご意見をいただきました。
 
後半は、会場の参加者の皆さんからいただいた数多くの質問にお答えしつつ、それぞれの方の話題提供を踏まえた総合討論を行いました。
 討論のテーマは多岐にわたりましたが、社会的インパクトの大きい先端科学技術に関する市民のコミュニケーションの場をいかに構築していくか、そのために科学技術コミュニケーターはどのような役割が果たせるか、という点について、大変貴重なご提案をいただけたのではないでしょうか。
 
八代さん、栃内さん、八田さん、どうもありがとうございました。
 
今回のシンポジウムの内容を踏まえて、各ゲストの方には、CoSTEPが発行しているオンラインジャーナル『科学技術コミュニケーション』第13号(2013年6月末発行予定)にご寄稿頂く予定です。どなたでもオンラインで無料で購読できますので、残念ながらシンポジウムに参加できなかった方、より深くゲストの方々のご意見を知りたい方は、ぜひご覧になってください。
(CoSTEPスタッフ 石村源生)