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触媒としてのサイエンス・カフェ札幌①
双方向性を重視した
コミュニケーションを積み重ねていく

触媒としてのサイエンス・カフェ札幌イメージ

北海道大学CoSTEPでは2005年以来、科学技術コミュニケーション教育、ならびに北海道大学の広報・社会貢献活動の一環として、定期的に「サイエンス・カフェ札幌」というイベントを実施してきました。これは、科学技術の話題について街中でコーヒーを片手に気軽に語り合う双方向のイベントであり、実施回数は2015年8月現在で82回に及んでいます。

「サイエンス・カフェ札幌」では、「コミュニケーションカード」を参加者に配付して質問や意見を記入してもらったり、ファシリテーターと呼ばれる進行役がゲストの研究者と参加者の間を取り持ったりして、双方向のコミュニケーションを促進する工夫を随所に凝らしています。

サイエンスカフェの歴史

そもそもサイエンスカフェは、1990年代後半にイギリスで草の根的にはじまったものですが、日本でも2005年頃から一気に全国各地で行われるようになり、今ではその開催数は1年に1000回を越えるようになってきています。

このように、科学技術コミュニケーションにおいて双方向のコミュニケーションが重視されているのには、歴史的な経緯があります。かつて政府や科学者は、専門家の言うことを黙って聞いて知識を吸収していれば間違いないという態度で市民に接していました。このようなコミュニケーションスタイルを「欠如モデル」と言います。

しかし、20世紀後半以降科学技術の社会に対する影響が大きくなるにつれ、「科学によって問うことはできるが、科学によって答えることのできない問題領域」=「トランスサイエンス」がクローズアップされてきました。

このような状況の下では、欠如モデルに基づいたコミュニケーションスタイルではうまくいかないことが徐々に明らかになり、より市民参加型の、双方向性を重視したコミュニケーションを専門家と非専門家の間で行うことが求められるようになってきました。そのようなコミュニケーションスタイルの象徴が「サイエンスカフェ」なのです。

触媒としてのサイエンス・カフェ札幌

「サイエンス・カフェ札幌」は、このような双方向性を重視したコミュニケーションを積み重ねていく過程で、あたかも「触媒」のような役割を果たしてきました。この役割は、大きく三つに分けられます。

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