光触媒×阿部竜 その光、もっと使います。
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2.3光触媒とは17うな状態にあるかを高い位置、低い位置で表わしたものであり、電子が文字通り上のほうに高く上がったり、下に落ちたりするわけではありません。さて、酸化チタンは、ふつうは絶縁体ですが、高温で加熱するなど一定の処理を施すと半導体になります。藤嶋さんが実験で使ったのも、半導体としての酸化チタンでした。ガラスのように電流をほとんど通さないものが絶縁体で、反対に白金や銅のように電流をよく通すものが導体です。そしてその中間で、「半ば導体」の性質をもつのが半導体です。半導体では、電子のエネルギー状態を示す図が、図2.5とは少し違って、図2.6のようになります。図2.6では、エネルギーの低い状態、高い状態それぞれが、帯のように幅をもっています。そして電子は、それら2つの中間のエネルギー状態になることができません。さきほどのボールを上に投げる場合では、どんな高さにでも自由に投げ上げることができたのと大きな違いです。この中間のエネルギー状態のところは、「禁制帯」と呼ばれます。半導体のどの地点をとってもこうした3種類のエネルギー状態があります。ですから、これら3種の帯が半導体の全体に広がっていると考えることができます。どの電子も、ふつうはエネルギーが低い状態にありますから、図2.6(左)のように、下の帯は電子がぎっしり詰

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