光触媒×阿部竜 その光、もっと使います。
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3.2光合成をまねる27のときの同誌の表紙は、阿部さんの研究内容を示す図でした。それほど注目される発見だったのです。図3.1の実験では、陰極(光触媒)と陽極(白金線)との間に1ボルトほどの電圧をかけています。そうすることで、光触媒の中で励起された電子と正孔とが分離しやすくなり、また一度分離した電子と正孔がもとに戻ってしまうということが起こりにくくなるのです。阿部さんの発見をより実用的なものにしていくには、電圧をかけなくても反応が順調に進行するようにしたり、光を浴び続けても触媒の性能が落ちないようにするなど、さらなる改善が必要と考えられています。3.2光合成をまねる可視光で光触媒を働かせて水を分解できるようにするもう一つの道は、二つの光触媒を組み合わせて働かせることです。図3.2を見てください。一つ目の触媒(図の左、グリーンの楕円。この楕円は光触媒の粒子を表わしています)では、光からエネルギーをもらうことによってエネルギーの高い電子が生まれ、その電子が抜けた後に正孔が生じています。正孔は、周囲の水から電子を奪って酸素を発生させます。他方で、高いエネルギーを持つことになった電子は、水の中に存在するイオンと呼ばれる物質(電気を帯び

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