光触媒×阿部竜 その光、もっと使います。
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5.5水になじみやすくなる49が光触媒でコーティングしてあると、いささか変わった現象が起きます。太陽光が当たっていない状態では、普通のガラスと何も変わりません。ところが紫外線が当たってエネルギーを受け取ると、光触媒物質の構造が変化し、表面が非常に水とくっつきやすくなるのです。その結果、丸く盛りあがった水滴ができなくなり、代わりに水がガラスの表面に薄く広がって、ガラスを水の膜で覆ったような状態になります(図5.2下段の左)。すると、ガラス面に水滴ができたり、ガラスがくもるということがなくなり、雨の日でも外がよく見える窓になります。鏡も同じ原理で水滴やくもりが付かなくなります。このような製品は「くもらない窓(鏡)」として、浴室の窓や鏡、車のサイドミラーなどに利用されています。では、ガラスの表面に油などの汚れが付いているとどうなるでしょう。油は水をはじきますから、普通のガラスでは、雨が当たっても油汚れは残ったままです。ところが、ガラスの表面が光触媒でコーティングしてあると、その表面は油よりも水とくっつきやすいので、光触媒でコーティングした面と油との間に水が入り込み、油汚れを浮き上がらせます(図5.2下段の右)。こうなると油汚れは水といっしょに簡単に流されてしまい、表面はきれいになります。窓ガラスはもちろん、建物の外壁やガードレールなどに汚れが付きにくくなる効果は、このような仕組みに基づ

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