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北大祭2017 電子科学研究所に住みつくへんてこ生物たち

2017年06月04日

出店の並ぶ賑やかな通りを抜け、しっとりとした森をくぐるように進みます。獣医学部と低温科学研究所の間を抜けると、突然開けた場所にそびえ立つ電子科学研究所(通称:電子研)。コンクリート打ちっ放しの無駄の無いデザインは、いかにも電子科学の研究施設といった印象を受けます。


北大祭2日目の土曜日に、電子研一般公開が開催されました。中に入ってみると、やはり超伝導やナノテクなど先端科学のオンパレード。およそ生物とは無縁と思われたこの施設ですが、突如「へんてこ生物大集合」と書かれた看板が現れました!見ればゾウリムシ、センチュウ、粘菌、クラミドモナスに多足動物と、へんてこ生物てんこ盛りの研究紹介ブースでした。


その中で披露されていたある実験に興味がひかれました。2本の鞭毛(べんもう)を使って運動するクラミドモナスという単細胞生物の、光に集まる習性を利用した実験です。クラミドモナスのいるシャーレに、文字や図形を切り抜いた黒いシートを載せて光を当てます。すると、数十秒で光の透過した部分に集まって切り抜いた形になるというもの。シャーレを揺すれば一瞬で霧散し形は消え、別のシートで照らせば別の形に早変わり。ああ、実に面白い。誰もいなければ一人で延々遊んでいたい。ついそんな気持ちになります。


解説してくれたのは飯塚洸介さん(学部4年)。クラミドモナスに界面活性剤をかけて細胞膜を溶かし、鞭毛の中の軸糸が剥き出しになった状態でATPといういわば餌をやると、死んでしまったはずなのに、あたかも生きているように運動を始めるとのことです。このような再現実験を続けることで、今まで知られていなかったの性質などがわからないか、日夜観察しているそうです。


隣の机は、最近尿の匂いでガンが判別できるという研究成果が話題のセンチュウです。ノートパソコンのモニターには、体をループ状にして、それを真っ直ぐに伸ばす時の力で餌の匂いに飛びつこうとする様子が映っています。

 

解説してくれたのは越智翔大さん(修士1年)。彼の所属するグループでは、センチュウの運動の仕組みの研究に取り組まれています。話の中では、まだ未発表の特ダネも紹介してくれました!ループを作らず真っ直ぐな状態でも動く新しい種類のセンチュウが、年内にも発表されるとのことです。センチュウファンの皆さんは乞うご期待!

 

この他、ムカデとヤスデの足の動きの違いを歯車のモデルで解説したり、粘菌を使って効率的な交通網を考える研究など、いろんなへんてこ生物たちの研究が紹介されていました。彼らから得られる情報が人間社会をさらに豊かにしてくれる期待満載、生物万歳な展示でした。

 


残念ながらこの電子研一般公開は土曜日のみ。興味を持ったら是非とも来年行くことをお勧めします。


【林忠一・CoSTEP本科生/北大職員】


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