匠のわざ


#4 北海道大学の講義を社会に、オープンエデュケーションセンター

2018年01月22日

 

今回は、北海道大学で情報通信技術(ICT)を使った教育・学習支援を行っている、オープンエデュケーションセンター(以下、OEセンター)の重田勝介さん(副センター長・准教授)、小林和也さん(高等教育推進機構研究員)、箱崎慈華さん、鈴木惠子さん(OEセンター技術補佐員)に教材作成においてどのようなサポートが行われているのかについて、伺いました。

 

(小林さん<後方左>、箱崎さん<後方右>、鈴木さん<真ん中>、重田さん<手前>、

 

 

オープンエデュケーションセンターとは

 

OEセンターでは、オープン教材(OER)を活用した教育支援をしています。「映像により学生が学べるデジタル教材を教員のニーズに応じて制作し、オープンコースウェア(OCW)や大規模公開オンライン講座(MOOC)などの形でインターネット上で公開しています。」と、重田さん。OEセンターでは、教育工学の観点から、反転授業や遠隔講義などオープン教材を効果的に用いる方法についても助言を行っています。

 

(専門的知見からの支援を行う重田さん

 

 

教員と共に作り上げるオープン教材

 

実際にオンライン教材はどのように作成されるのでしょうか。OEセンターでは教材を作成する過程で様々な支援を行っています。

 

「私は、打ち合わせ屋です。」と、小林さん。OEセンターでは、学習者が理解しやすいように、インストラクショナルデザインという教材設計原理に基づいて教材を作成しています。小林さんは受講生の立場に立って、教材の分かりづらい点や詳しい説明が必要な個所などを教員と一緒に考えていきます。

 

(教員と共に教材を確認する小林さん

 

一方、鈴木さんは講義資料の中に含まれる著作物の調査と利用許諾申請を担当します。第三者の著作物を使ってインターネット上で教材を公開するためには、このような著作権処理が必要です。著作物の利用用途を説明する資料を作って第三者に理解を求めたり、著作物を差替える場合は講義の本質が損なわれないような素材を探すなど、柔軟な対応を心がけています、と鈴木さんは語ります。

 

(鈴木さんは教材を全て確認し、著作権処理を行っていく

 

箱崎さんは映像の収録・編集を担当しています。講義映像はどうしてもスライド資料中心になってしまいがちですが、講義の臨場感や教員の伝えたい内容をどう映像や技術で表現しようか、日々模索しています。例えば、論理学の教材で「無限」という概念を取り扱った際には、360度どこまでも合わせ鏡が続いていくようなVR映像を作成し、「無限感」を学生に体験できるよう工夫しました。

 

(OEセンターのスタジオで撮影準備をする箱崎さん<手前>

 

 

届けたい、学問のヤバみ

 

大学がオープン教材を作り発信することは、大学の知を社会に還元する社会貢献という意味だけではないと、重田さんは語ります。大学の外で教材を使ってもらうことで、内容や教え方が吟味され、ひいては学内の教育を改善することにもつながることが期待されています。

 

デザインの高等専門学校を卒業し、この職に就いた箱崎さんにとって、大学の講義は今でも憧れの存在。北大の講座が社会に公開されている意義は、一般市民にとっても大きいと感じるそうです。

 

知識に触れることによって、全く新しい世界が広がる、いい意味での学問の「ヤバさ」をより多くの人に届けたいですね、と小林さん達は笑顔で野望を語ります。

 

(野望を明るく語る皆さん

 
 

【もっとOEセンターについて知りたい方は】

 OEセンターホームページ

【最新のOEセンターのMOOC:2018年3月7日より配信開始】

 ようこそ、科学技術コミュニケーション

 

 


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