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同志の都を訪ねて

2019年03月26日

北大からはるか西、京の都にある同志社大学。実はこの同志社大学と北大初代教頭ウィリアム・スミス・クラーク先生は、とても深い関係があるのです。

 

京都御所の真向かいで静かに開く同志社大学「正門」。よく勘違いされますが、

烏丸通りに面し、人通りも多く賑やかな門は「西門」です

 

札幌農学校を設立するにあたって、当時の日本政府は有能な外国人学者を捜していました。その時、相談を受けてクラーク先生を紹介したのが、同志社大学創始者である新島襄です。クラーク先生がアメリカのアーモスト大学で教えていた時期、学生の中に同大学初の日本人留学生がいました。それが若き日の新島だったのです。

 

現在の校内にクラーク先生に関する縁のものは見つけられませんでしたが、無形の文化に名残があります。北大内で都ぞ弥生と並んで愛されている、北海道大学校歌「永遠の幸」。実は同志社大学にも「若草萌えて」という、ほぼ同じメロディーの応援歌があるのです。

 

同志社を代表する建築物「クラーク記念館」(1893年竣工)。こちらの建物名にある「クラーク」は、

我らがW.S.クラーク先生とは別人。建築費を寄付したB.W.クラークというアメリカの資産家の名前です

 

実はこの2つの歌、原曲は同じ「Tramp,Tramp,Tramp」(J.F.ルート 1864年)というアメリカ南北戦争時の北軍の歌。南北戦争のとき北軍の兵士だったクラーク先生が口ずさんでいたこの歌に、日本で歌詞がつけられて誕生しました。

 

北海道大学では、当時学生だった有島武郎が歌詞をつけて校歌に。同志社大学では昭和初期、同志社中学校の英語教員だった清水英明がこの曲に歌詞をつけ、今は応援歌として広く歌い継がれています。

 

同志社礼拝堂(1963年竣工)。新島とクラーク先生、ともにキリスト教精神を学びの礎とし、

日本におけるプロテスタント発祥3基点のうち2つ(北大:札幌バンド、同志社:熊本バンド)の中心メンバーを輩出しました

 

ある意味、北大と同志社大学、根っこにある「志」は、兄弟に近い関係と言えるかもしれません。札幌農学校での任務を終え離日する際、クラーク先生は新島を訪ねて京都も訪れています。おそらく当時の同志社英学校も訪れたことでしょう。京都に滞在される際はぜひ、クラーク先生の足跡を追って、同志社大学にも足を運んでみてください。

 

有終館(1887年竣工)。「書籍館」(初代図書館)として建てられ、当時としては日本最大の学校図書館だったそうです。

クラーク記念館、礼拝堂、有終館、いずれも国指定重要文化財。ちょうどキャンパスツアーが行われていました


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