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北大祭2019 境界の島、サハリンの物語を知る

2019年06月09日

人文・社会科学総合教育研究棟の入り口から案内に従って奥深くへ。会場を目指す何組もの親子と一緒に進みます。みなさん内心、「本当にこっちでいいの?!」と思っていたはず。法学部棟の2階から渡り廊下を渡り、4階へ。エレベーターの扉が開くと、美しい民族衣装や小物がお出迎え。「よかった、ここだった…」。

 

 

到着したのはスラブ・ユーラシア研究センターの展示・講演会場。中山大将さん(釧路公立大学講師)による『ゴールデンカムイのサハリン島』と題した講演では、境界地域(※)としてのサハリン島の近現代の歴史をダイジェストで知ることができました。通常2時間の講義を30分に圧縮したという濃密さです。

 

 

日本では古くから樺太と呼ばれていたサハリン島。そこに住む先住民の世界では、近隣国から人が流入し交易も盛んでした。島の北部には北方民族のニヴフ、ウイルタが住み、南部には樺太アイヌが居住。島は日露戦争後に日本領となり、多くの日本人が暮らすようになった場所でもあります。そのような状況と歴史の中で、先住民は日本とロシアの支配を受けつつも、彼らなりの暮らしをしてきました。

 

 

人気漫画『ゴールデンカムイ』は、日露戦争直後の北海道を舞台に話がスタートします。一獲千金を狙う者、ロシア領時代の樺太生まれの父親を持つ者…明治末期の混沌とアイヌの文化が混じり合うエンターテイメント作品ですが、歴史に精通している中山さんは、「歴史と物語の組み合わせでしか表現できない漫画の展開を楽しんでいます」と話しました。

 

スラブ・ユーラシア研究センターでは、他にもグリーンランドに関する講演を開催していました。次の一般公開ではどの地域にスポットが当たるのでしょうか。興味のある方は、スラブ・ユーラシア研究センターの一般公開情報をチェックしてくださいね。

 

※境界地域:近現代において国境などの近代的「境界」に接していたり、あるいはその変動を何度も経験した地域

 

【岩野知子・CoSTEP本科生/社会人】

 


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