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#67 北大にあるパイプオルガンのひみつ(2)

2014年07月10日

 

北海道で2番目に設置された北大のパイプオルガン。今回は実際に演奏をしてもらいながら、パイプオルガンがどのような構造をしているのかお話をうかがいます。パイプオルガン研究会の辻ゆりさん(文学部2年)と佐藤浩輔さん(文学研究科博士課程2年)が演奏してくださいました。辻さんは元々ピアノを習っていて、北大にパイプオルガンがあることを知って興味をもちました。一方で、佐藤さんはピアノを習っていたわけではなく、大学に入学してからパイプオルガンを演奏したくて練習をはじめました。今では演奏歴8年です。

 

(辻さんは、バッハの『目覚めよ、とよぶ声が聴こえる』を演奏)

 

(佐藤さんは、バッハの『トッカータとフーガ ニ短調』を演奏)

 

 

様々な音色はどのようにしてつくられるのですか

 

パイプオルガンは設置される環境に応じて個別に発注・製作されるので、一台一台が異なった形状・特質をもっています。発音の原理自体はとても簡単で、管に空気が伝わることで発生します。また、鍵盤はピアノに似ています。けれど、オルガンには数百本から時には一万本を越えるパイプが配置されているので、それぞれのパイプを選択して自在に空気を送るための仕組みがあるのです。

 

(送られている空気量を測るメーター)

 

北大のオルガンは、「主鍵盤」「副鍵盤」「足鍵盤」の3つの鍵盤があり、1556本のパイプからなります。操作する鍵盤によって3つのパイプ群に分けられていて、それぞれ別の箱に収められています。「主鍵盤」は、パイプオルガンの正面右側下方のパイプ、「副鍵盤」は正面右側上方のパイプ、「足鍵盤」は左側のパイプといった具合に鍵盤によって風を吹き込むパイプが異なります。このような配置は、バロック期の北ドイツで一般的に見られた特徴です。

 

(パイプが正面右側と左側に分かれており、さらに右側のパイプは上下の分かれている)

 

足鍵盤の演奏はときどき目て確認しますが、ほとんど感覚だけで演奏します。この平行ペダルは着脱可能で、講演会などが開催される際は舞台裏に収納されていますよ。

 

(両手と両足をつかって演奏している様子)

 

 

楽譜は基本的にピアノと同じ

 

パイプオルガンの楽譜は基本的にピアノの楽譜と同じです。ですので、ピアノの楽譜を読むことができれば問題なくパイプオルガンの演奏ができることになります。また、設置の向きに注目していただくと分かるように演奏中は客席に背中を向けています。観客の顔が見えないので緊張しなくて良いです。

 

 

パイプオルガンの音色は演奏者によって違う

 

同じ曲でも、演奏者によってパイプオルガンの音色を変えることができます。「主鍵盤」と「副鍵盤」からはそれぞれ9種類、「足鍵盤」からは6種類、全体では24種類の音色のパイプを鳴らすことができます。演奏者は「ストップ(音栓)」を使って風を吹きこむパイプの種類を選びます。その組み合わせで時には特定のパイプだけを鳴らし、また時にはすべてのパイプを鳴らして大音量を鳴らしたり、さまざまな音色をつくったりできます。曲によっては音色を指定する曲もありますが、ほとんどの場合、演奏者が自分で音を選びます。

 

(さまざまな音色をもつパイプを選択するスイッチである「ストップ」) 

 

3つのパイプ群は対応している3つの鍵盤から別々に操作されますが、「カプラー」と呼ばれる装置をつかうとパイプ同士を連結します。このことで「主鍵盤」に属する音色を「足鍵盤」に重ねたり、「副鍵盤」の音色を主鍵盤に重ねたり、音色の組み合わせをさらに多様にすることができます。 

 

(写真の右に3つならぶものが「カプラー」)

 

このように、パイプオルガンという楽器はさまざまな表情を持った音色を数限りなく創りだしていくことができます。

 

パイプオルガンの厳かな音色はクラーク会館大講堂に響きわたります。吸い込まれるようなきれいな音色をもつ一方で、時には背筋が伸びるような大音量で観客を魅了します。

 

 

辻さんが次に挑戦したい曲はバッハの『プレリュード』と『フーガ』とのこと。北大のパイプオルガンが初めて演奏された1966年から、およそ50年の時が経とうとしています。いまも変わらず演奏され、いつの時代も人の心を魅了する楽器。これからも、パイプオルガンを通して芸術・学問に感化された ”大志をもつ青年” の活躍が楽しみですね。

 


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【チェックイン】#066 北大にあるパイプオルガンのひみつ(1)


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