2020年01月19日

活動報告

2019年度メディアデザイン実習 課外特別演習「JAXAに行こう!」

 

CoSTEP15期 本科・メディアデザイン実習

小池隆太・川辺晃太郎・佐藤淳治・中島優花・星崎真由美

 

2019年7月8日、宇宙開発に対する理解を深めるため、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の筑波宇宙センターを訪ねました。JAXAは航空宇宙分野に特化した、日本で唯一の研究開発機関です。筑波宇宙センターでは、主に有人宇宙開発や大型のロケット、衛星の研究開発が行われています。今回はセンター内を巡る見学ツアーを体験した後、JAXA職員の津上哲也さんと山田淑乃さんにお話を伺いました。お二人はCoSTEP15期の選科生でもあります。私たちがNoMapsに出展する企画のテーマが宇宙なので、今年のCoSTEPは宇宙が一つのキーワードになっているのかもしれません。

 

(JAXA筑波宇宙センター入口)

 

 

JAXAの宇宙開発

 

筑波宇宙センターの見学ツアーでは、まずJAXAの事業を紹介する動画を視聴した後、国際宇宙ステーション(以下、ISS)の「きぼう」運用管制室を見学しました。「きぼう」とは日本が開発したISSの実験モジュールのことです。ISSの宇宙飛行士や海外の宇宙機関と直接やり取りを行うこともあるそうで、JAXAの中でも特に宇宙を身近に感じることができる場所でした。地上にいる人と通信機器を通した会話しかできない宇宙空間では、トラブルが起きたときなどに慌てないために、日頃からのコミュニケーションがより重要になると思いました。

 

(きぼうの実物大モデル)

 

ツアーの最後は宇宙飛行士養成エリアを見学しました。日本の宇宙飛行士選抜試験は世界的に見ても厳しいと言われており、閉鎖環境試験は特に大変だと思いました。他にも無重力状態での健康維持や宇宙食、宇宙空間での科学実験など興味深い説明ばかりでした。

 

(宇宙飛行士選抜試験で使用する閉鎖環境試験施設)

 

人間が絶えず宇宙空間で活動を行っていることは今では当たり前になっていますが、さまざまな学問や科学技術そして人々の試行錯誤の結果であるとあらためて感じました。今後も長期的に宇宙開発を進めていくためには、より多くの人に興味関心を持ってもらう必要があり、科学技術コミュニケーションの必要性を感じました。

 

 

宇宙開発の現場から

 

見学ツアー終了後は津上哲也さんと合流し、展示館「スペースドーム」の案内をしていただきました。津上さんはJAXAでリサーチアドミニストレーターや広報など事務系の業務を担っていらっしゃいます。津上さん自身は幼少期から宇宙に憧れていたわけではなく、大学での専攻は文系だったそうです。学生時代は会計のアルバイトもされていたそうで、将来はそういった仕事に就くと考えていた津上さん。就職活動を行った際、せっかくなら大きな仕事に携わりたい、それなら宇宙につながるところがいいとJAXAを選んだといいます。入社後、さまざまなプロジェクトに関わる中で宇宙を好きになっていき、今はそれを大切にしているそうです。

 

津上哲也さんの説明に耳を傾けるメンバー

 

私たちが筑波を訪問した2日後の7月11日、はやぶさ2が小惑星リュウグウの2回目のタッチダウンに成功しました。何ともタイムリーなニュースでとても驚きました。はやぶさ2だけでなく、ブラックホールの観測画像取得や民間初のロケット単独打ち上げ成功など今年は宇宙に関する良いニュースが多いです。そういったことも企画の中で取り上げることができたらと思います。

 

(はやぶさ2の実物大スケールモデル)

 

夜は山田淑乃さんとも合流して懇親会を行いました。山田さんは企業からの出向という形でJAXAに勤務なさっている技術系の方です。現在は地球観測衛星に関する業務に携わっていらっしゃいます。事務系の業務同様、外からは見えない苦労や困難があるようですが、子どもたちや一般の方に対して夢を与えられる伝え方を心がけているそうです。

 

(実はJAXAのお二人を含め、ここにいる全員がCoSTEP関係者です...!)

 

お二人に共通していることは、一般の方々がイメージする「宇宙に関わる仕事」にとどまらない、現実的な側面を知っているということです。自分もどちらかといえば夢や憧れなどのイメージしかもっていませんでしたが、泥臭くて地味な側面やもどかしさを感じるようなことなども含めて宇宙開発なのかなと思いました。

 

 

宇宙開発の広報

 

CoSTEPの講義で取り上げられたJAXAのPR動画や見学ツアーの冒頭で視聴した紹介動画は、見る度に宇宙開発への興味がわいてくるクオリティーの高いものでした。しかし、そうではない動画も少なからずあるそうです。動画を作る際に心がけていることは、「ロケットの打ち上げ成功や人工衛星の技術的に優れている点」ではなく、「ミッションとそれに携わる人々」を伝えることだといいます。

 

また他の広報活動においても、衛星が人間の暮らしにどう貢献するかといった、ミッションを伝えることを中心に考えているといいます。宇宙開発に関心を示さない層にはそれを特に意識して伝えるといいます。私たちメディアデザイン実習はNoMapsに向けて宇宙をテーマにしたイベントを企画していますが、参加者に何を伝えたいかをしっかりと考えなければならないと思いました。

 

 

まとめ

 

以前から宇宙開発や宇宙探査に興味関心があったため、筑波宇宙センターを訪問し、JAXA職員の方からお話を伺うことができたことは大変嬉しく貴重な時間でした。今後、宇宙を題材にしたイベントの企画を進めていくにあたって、JAXAの広報活動など参考にできることが多々ありました。

 

一方で、宇宙開発の現場は煌びやかなことばかりではありません。例えば、JAXA内でなかなかプロジェクトが前に進まず、もどかしさを感じることがあると職員のお二人はおっしゃっていました。私たちの企画は小学生を対象に、スペースデブリという宇宙開発の負の側面を扱います。「夢」だけでは決して語れない宇宙開発の現状を、次世代を担う子どもたちにどう伝えるのか、これからも考え続け具体的な形にしていきたいと思います。

 

津上さん、山田さん、お忙しい中ありがとうございました!

 

(H-IIロケットの実機の前で)