2020年02月02日

活動報告

可視化プロジェクト実習イベント「ヒト、トナリ」を開催しました

 

勝島日向子(2019年度 本科/学生)

 

2020年1月12日から25日までの14日間、江別蔦屋書店にて可視化プロジェクト実習のメンバーが参加型のイベント「ヒト、トナリ」を開催しました。

 

記録映像をご覧ください。

 

「共存と共生のあいだ」を考える 

イベントのテーマは「共存と共生のあいだ」を探すこと。個人の考えや生き方が尊重される「共存」に対し、「共生」は社会の存続を優先します。異なる意見を持つ人々が一緒に豊かに暮らすためには、この二つがどちらか一方に偏らないようバランスよく保つことが大切です。ですが、日常生活では自分の隣にいる人が何を考えているのか、何を大事に想っているのかを知る機会がなかなかないため、社会について実感を持つことが難しいのも実情です。

そこで、まずは自分と他人の価値観に触れてみることが重要なのではないかと考えました。自分の「本当に大切にしたいもの」についてもう一度深く考え直してみたり、他の人と比べてみることで得た新しい発見は、それぞれ違う私たちが一緒に暮らしていく未来のための、ちょっとしたヒントになるかもしれません。

 

そう考えた可視化のメンバーは、自分と他人の価値観を見つめられるような「想いのキッチン」「知の遺伝子」「暮らしのロボット」の3つのワークショップを用意しました。それでは、1月12日日曜日、1月19日日曜日に開催されたワークショップの様子を報告します。

 

外から眺めた江別蔦屋書店の様子。イベント当日は良いお天気でした。

 
 
「想いのキッチン」
 

「食」のブースでは、誰にとっても身近な話題である食材や食事に関する想いを集め、その多様性を共有しようと試みました。

 

 

ブースには、食に関する24の問いのカード掲示されています。参加者はその中から興味を惹かれたカードを選び、問いに対する答えを書き込みます。そのあとカードを丸めてくじを作り、問いに対応した引き出しに収めます。その後引き出しから好きなくじを引き、他の人の意見を見て自分の意見と比べてみる、というワークです。親子できた小さなお子さんから高齢者、24の問い全てに答えてくれたカップルまで幅広い方が参加し、想いを巡らせ自分の意見を書き込んだり、くじを引いて他の人の意見を読み「自分と同じ意見」、「この考えは思いつかなかった」など、様々な発見ときっかけを得ているようでした。

 

(様々な層の方が足を止め参加してくれました。参加すると他の人のカードを持って帰れます。)
 
「知りたい」をつなげる
 

「知」のブースでは、だれかの「知りたい」という想いが他の人につながり、知識が連鎖していく様子を可視化するため、本棚に本を次々と並べ、本でリレーをするというワークを行いました。

(遺伝子の形をした本棚。「知りたい」という想いがつながる様子を、遺伝子が世代を超えて繋がっていく様子になぞらえて表現しました。)

参加者はまずリレーの最後尾の本を読み、その本を選んだ前の人が「知りたい」と思った内容を知ることになります。そのうえで、自分が次に「知りたい」と思ったことが書いてある本を館内から探してきて本棚に1冊加えます。このようにして可視化のメンバーが選んだ1冊目の本のあとに次々と色とりどりの本が並び、参加者のみなさんと作り上げた知識の流れが完成しました。参加者の皆さんはどのような本を選ぶのか、少しドキドキしていましたが、写真集から学術書、小説、エッセイ、哲学書、絵本、詩集とさまざまな種類の本を選んでいただきました。

参加者の中には「普段読まない本を読むきっかけになった」と言ってくださる方や、本棚に本を並べたあと、次にどのような本が並んだのか見に再度訪れ、自分の「知りたい」という想いをもとに予想していなかった本が選ばれたことに驚かれた方もいました。

 

ロボットが共にいる暮らしを考える
 

「暮らし」のブースでは、ロボットが今よりもっと身近になる未来を見据え、参加者の日常にロボットがいる生活を具体的に想像してもらうワークを行いました。

 

 

雑誌の特集ページを作成する体で、参加者は日常生活を切り取った10種類の背景写真の中から好きなものを選び、写真の空間にいるロボットを考えてもらいました。実際に考えるロボットの機能は“____できるが、____なロボット”。単純にロボットのいい面だけでなく、そのロボットが実際の生活に入ったときの影響、他の特徴を一緒に考えることで、理想の中だけでなく、実生活にいるロボットを具体的に考えられるようにしました。ロボットについて考えるヒントとして、現実世界とフィクションの世界のロボットの開発の歴史をまとめた年表や、ロボットにまつわる書籍も用意しました。

 

ロボットの体はいろいろな形をしたスタンプで作り、ペンで好きなように説明を書き加え、約70個もの思い思いのロボットが完成しました。

 

1月12日から1月25日の期間のうちイベントを開催したのは12日、19日の2日間だけでしたが、どのブースにも親子連れから若い方、年配の方、さまざまなお客さんに楽しんでいただくことができました。

 

今回のイベントが、身近な価値観について考えるきっかけになっていたら幸いです。

 

 

参加者のみなさま、ありがとうございました。