2020年02月27日

活動報告

料理教室型親子ワークショップ「知って 比べて 食べて 見つける 野菜のヒミツ」を開催しました。

 

正村典也(2019年度 研修科/社会人)

 

2019年12月21日(土)、山形県立米沢栄養大学で、親子向けワークショップ「知って 比べて 食べて 見つける 野菜のヒミツ」を同大学の食育サークル「もぐもぐラボ」(顧問:三浦佳奈さん(13期選科B,15期研修科)と共同して開催しました。米沢での開催ということもあり、広報活動はもぐもぐラボが担当し、当日は小学生とその保護者を中心に25名の参加がありました。親子一緒にジャガイモ品種の違いやアブラナ科野菜の種類、自身が開発に携わった「涙のでないタマネギ(スマイルボール)」などに着目しながらカレーライスと野菜サラダの調理を進め、できあがった料理を食べ、自分たちが触った野菜のヒミツの仕組み学ぶという形式で行いました。

 

どんなことを目指して、何を行い、どうだったのか、を報告します。

 

 


身近な材料である「野菜」を触りながらの実体験と知識を紐付けたい

 

生命科学は自分たちのカラダの中で起こっていることに直接関係する科学領域であり、多くの人が少なからず興味・関心を持っているように思います。今回のワークショップでは、野菜という身近な材料を使い、実際に自分で手を動かして調理し、出来上がったカレーライスやサラダを食べ、用いた野菜の品種の違いを実感することと、その違いに対する「なぜ?どうやって?」を遺伝子の働きの違いとして説明することを進め、知識を実体験と紐付いた記憶にすることを目指しました。その記憶は、いつかどこかで、遺伝子、DNA、ゲノムなどの生命科学に関わる言葉に出会った時、「見たことある、触ったことある」「少し知っている」と感じられるようになるきっかけとなり、心理的ハードルを下げることに繋がると考えています。

 


自分たちでカレーやサラダを作っていきます

 

知識・情報を提示することよりも参加者が手を動かす場面を多く取り入れることを意識しました。カレーライスを作るのが初めての参加者は、まず調理自体が楽しそうでした。身近な材料を使い、参加者自身が手を動かす調理体験型ワークショップならではです。

(初めてのカレー作り。最初はドキドキだったのが、どんどんはまっていく子どもたち)

 

小学生低学年の参加者が多いことから、参加者の興味を高め、記憶に留めやすくするために、4品種のジャガイモそれぞれの特徴を持たせたキャラクターを作成しました。ルビー姫(品種:ノーザンルビー)、メイ女王(品種:メークイン)、あかねちゃん(品種:さやあかね)、だんしゃくん(品種:男爵)。デザインはもぐもぐラボの菅原桜さんが担当しました。

(全員集合したジャガイモカルテットのキャラクター)

 

調理に取り組む時間と調理する野菜のヒミツを聴く時間を交互にはさみながら進行しました。野菜のヒミツを聴く時は、手を止めて。みんな集まって話しを聴いたり、クイズ形式で考えたりしました。

(野菜のヒミツ説明の時間。子ども達は段々と前に前にと出てきます)

 

いよいよ「涙のでないタマネギ」の出番です。その前に普通タマネギを切り、涙ができることを体感していたので、皆さん少しこわごわです。でも、切っても切っても本当に涙のでないことにびっくり。普通のタマネギとのはっきりとした違いに驚く参加者皆さんでした。この驚き体験をどのようにして知識と紐付けられるかがポイントとなります。

(おそるおそる涙のでないタマネギを切る参加者)     

 

そして、自分たちで作ったカレー(別々のジャガイモを入れた4種類)とサラダを試食しました。試食時間は、ここまでに体験したことを振り返ったり、食べてみて、さらに違いを実感したりの時間となりました。

(野菜のヒミツ満載のサラバーです。初めての体験でいっぱいです)

(みんな揃っていただきます。初めてつくったカレーでジャガイモを比べ、涙のでないタマネギの甘さにびっくりしたり)

 

試食のあとのおさらいでは、調理と試食を通して体感した品種の違いは「どうしてなんだろう?」「どうなっているんだろう?」から初め、その違いは遺伝子の違いにあることを説明し、さらに、野菜だけでなく、植物はもちろん、人間だって遺伝子を持っていると話題を拡げていきました。

 

そして、ラストメッセージは、「涙のでないタマネギ」の開発になぞらえ、何か夢中になることを見つけ、それに取り組むことの楽しさでした。

(調理と試食で体感したヒミツの裏側にある「なぜ?どうやって?」をおさらいします)

 


調理体験は入り口のハードルを低くできそう

 

「野菜」というと「食材」であって、科学技術という言葉で語られることが少ないのが現実かと思います。しかし「涙のでないタマネギ」の開発者の一人として、野菜の品種の違いは、誰もが体感できる科学技術の成果だ、という視点を持ったことが今回のワークショップの発端でした。実際に今回のワークショップを通して、子どもが楽しそうに調理体験し、野菜の違いを実感していることをみることができました。今後も開催を続け、その実体験と科学技術の提示を一体化するカタチのワークショップに作り上げていきたいと思っています。

 

本ワークショップはCoSTEP15期研修科の活動として、古澤先生にご指導いただきながら、筆者と三浦佳奈さんが一緒に行いました。ワークショップ開催にご協力いただいたもぐもぐラボの皆さん、参加者、その他関係者の皆さんに感謝申し上げます。

(参加者、もぐもぐラボメンバーとの全体写真。みなさんありがとうございました)