2020年03月30日

受講生体験記

家族と一緒に歩んだCoSTEPの一年

 

 

私の受講のきっかけは、2016年3月に三省堂書店札幌店BOOK&CAFÉにて開催された、サイエンスカフェ「ロボットとICTが導く農業の未来」でした。私は、当時、詰込型の勉強に意味を見いだせずにいた中3の息子を誘って参加しました。息子のためだったはずなのですが、私がはまりこんでしまいました。自分もCoSTEPに参加してみたい思いが募り、2019年度に受講することになりました。

 


科学技術コミュニケーションとはなにかよくわからないまま、好奇心で入りこんでしまったCoSTEPの世界。私は早々に理系科目を捨て去って、大学受験は私立文系。その後も行政や法律に関する内容の仕事をしてきました。それなのに何故、強く自然科学にひきつけられてしまったのか。子育てを通し、恐竜、虫、宇宙、元素の世界などに誘われた経験によって、いつの間にか自然科学が私にとって身近なものになっていたのだと思います。


私は札幌在住ですが、子育てと仕事で手一杯でしたので、e-learningと3日間の集中演習で受講できる選科、そのうち、イベント実習のある選科Aを選択しました。そのうえで、自主的に参加できる本科の実習やサイエンスカフェなどイベントのお手伝いに参加しました。選科Aといえば、夏の3日間の集中演習。全国各地から集まった受講生たちが、3日間でミニサイエンスイベントを作るというものです。イベントのテーマについて共通認識をもつためには徹底して議論すること、グループとしての協同作業の中で各人が各人の役割を果たすことの大切さを学びました。


受講当初は、私は文系だから…という理系に対するコンプレックスを感じていましたが、受講後にはこの考え方に変化が生じました。CoSTEPの受講生と触れ合う中、私は文系サイドから物事を見ているということに気づき、今後、文系の要素が理系の学びにも必要であることを感じました。

 

 

CoSTEP受講によって、家族にも大きな変化がありました。研究者である夫は、多分野連携の研究へと動き始め、前述の息子は将来CoSTEPで学びたいと考えるようになり、中1の娘は、サイエンスカフェデビューやを果たしました。彼女は、そこで思いがけず学ぶ楽しさに目覚めました。2019年1月の討論劇と評決ワークショップでは、大人と一緒に科学技術の社会実装の是非について対等の議論を行いました。私はその変貌ぶりを見て、学校の一斉型の学習形式が合わない中学生や高校生が気軽に参加できるようなサイエンスカフェやワークショップを開催したいと思うようになりました。そこで、世代を超えて、人と人とがつながっていくことを願うようになりました。


科学技術コミュニケーションとは何か、その問いに対して、私は「人と人とをつなげるもの」と考えています。そして、共に学んだCoSTEPメンバーの未来での活躍を心から楽しみにしています。

 

小名木陽子(選科A)

社会人