2020年11月24日

授業レポート

「科学技術と社会と人、大局・全体像・本質をとらえる「システム思考」(9/16)後藤拓也先生の講義レポート

 

原 勇貴(2020年度本科/学生)

 

今回は、後藤拓也先生より「システム思考」について講義をしていただきました。システム思考の考え方やメリット、どのように科学技術コミュニケーションに活かすのかを実例やワークショップを通して解説していただきました。

 

システム思考の考え方

システム思考とは、現実の出来事を要素ごとに切り離して考えるのではなく、それぞれのつながりが輪を作り循環していると考え、解決への働きかけを考える方法です。その関係を理解するために用いられるアプローチの代表例が氷山モデルです。普段目にする出来事を氷山の一角に例え、その下に隠れているより根本的な原因を含めて4つの段階(出来事、パターン、構造、メンタル・モデル)で理解していきます。システム思考は、重要ですが緊急性が低い問題やなかなか解決しない問題に非常に効果的な方法です。

 

 

メンタル・モデルとは

氷山モデルの一番下に位置するメンタル・モデルとは、「~べき」という言葉で表現される私たちの先入観や思い込みのことです。これは過去や経験から形成されることが多く、考え方や行動に大きな影響を与えています。メンタル・モデルに正解というものはなく、その存在に気づくことで視野を広げられるようになることが重要だといいます。また幅広い視野をもって出来事を深く理解するためには、様々なメンタル・モデルを知らなければなりません。これを解決するためには、多様な立場の人とともにシステム思考を行うことが重要です。

 

システム思考の実践ワークショップ

講義終了後、システム思考の実践ワークショップを行っていただきました。後藤先生が設定した事例について、何がどのように変化したのかをパターン化し、それをもとにループ図を作成しました。ループ図とは、要素の循環(ループ)を矢印と変化の仕方でわかりやすくあらわしたものです。これを読み解くことで、変化が強化され続けるのか、それともある状態に収束するのかがわかるようになります。特に収束する循環を対象に解決策を講じることによって、出来事の改善が行われやすくなります。

 

 

おわりに

本講義では、出来事を分析する際のアプローチの一つであるシステム思考について解説していただきました。そこから、事実だけでなくメンタル・モデルまで想定した深い理解の必要性を学びました。特にメンタル・モデルを知るためのツールとして対話が挙げられていたことから、理解に向けた双方向的な活動が効果的であることを再認識できました。科学技術コミュニケーションにおいても、事実や結果だけでなく無意識にある前提や先入観を理解することで、今後必要な活動内容や改善策が明らかになっていくと思いました。

 

後藤先生、ありがとうございました!