ようこそ先輩


#38 今も発信をつづけるあつま災害FM/藤田あさこさん(厚真町役場)

2019年12月25日

 

平日8時と12時と18時、FM81.4Mhzからのラジオが今日も厚真町に流れます。お話ししているのは、2013年に農学院修士課程を修了し、現在厚真町に勤めている藤田あさこさんです。昨年2018年9月6日におきた胆振東部地震は、各地に大きな被害を出しました。現在、地震に関する報道は少なくなりましたが、現地では未だ災害と日常が入り混じった状況にあります。藤田さんは厚真町の今を町民の皆さんに発信しつづけています。その数は、本日(2019年12月25日)の配信で、900回となりました!

 

(役場にてあつま災害FMのポスターを指差す藤田さん)

 

毎日3回、厚真町の今を町内に発信

 

災害時そしてその後、被災地では情報が不足しますが、これまでの災害でも特定の市町村周辺エリアに向けて発信するコミュニティFM等のラジオ放送が活躍してきました。厚真町でも地震の2週間後の9月20日にあつま災害FMを厚真中学校内に開設。まちづくり推進課の藤田さんは同僚の方4名と担当し、平日毎日3回放送をすることになりました。その後、スタジオを厚真町役場内に移して配信を続けています。

 

(厚真中学校に掲げられた看板)<写真提供:厚真町 あつま災害FM。2018年9月20日撮影>

 

「現在は、発災直後の焦眉の急を要する状況とは異なり、言うなれば生活を元通りにするリカバリーの段階にあります。放送では、町民の方々の生活の復旧に不可欠な情報を提供すると同時に、聴いている方に少しでも楽しいと感じ、息抜きになるような時間を過ごしてもらうことを考えながら番組づくりをしています。」

 

最近はコンテンツ色を強め、担当者それぞれが独自のコーナーをつくるなどして、番組を盛り上げる工夫をしているとのこと。藤田さんは大学院での研究などで得たことを活かして、科学についての番組をつくったそうです。

 

「災害FMは発災後に立ち上がったもので、地震発生時は町に存在しませんでした。しかし、度々発生した余震時や停電時等の不測の事態の際に、その必要性を当事者ながら身に染みて感じました。町民の方々には、ラジオ放送を娯楽のツールとしながら、想定外の事態への危機意識や防災意識を常日頃から持つための媒体として、聴いてもらえたら良いなと思っています。」

 

(地震から1年を迎える前日。局内の風景)<写真提供:厚真町 あつま災害FM。2019年9月5日撮影>

 

(開設1周年の日の放送にて)<写真提供:厚真町 あつま災害FM。2019年9月20日撮影>

 

北大から厚真町へ

 

藤田さんは北大の農学院修士課程を2013年3月に修了し、道内で会社勤めをします。しかし、より地域に密着した仕事を求め、2017年4月に厚真町に就職をしました。

 

「決め手は、たびたび訪れて感じた全方位的に開かれた圧倒的ウェルカム感と、そこに住む人の魅力でした。厚真町には目立った観光地等はありませんが、移住する方やワンデイトリップで訪れる方が多いのは、まさにそこに理由がありそうです。わたしも大学時代の友人などが厚真を訪れ、案内する際には、なるべく町内在住の方に会えるようにコーディネートするようにしています。私自身が移住する際、そして移住後に感じている厚真の魅力を町外から訪れる方にも感じてもらえればうれしいです。」

 

(2011年には科学技術コミュニケーションを学ぶプログラムCoSTEPを受講。ラジオ番組を制作する実習で活動した経験も生かされています)

 

最後に藤田さんから、ご自身の経験を踏まえ、北大で学ぶ学生のみなさんに向けてメッセージをいただきました。

 

「わたしはアウトドアが非常に好きだったこともあり、札幌に住んでいた頃から「田舎」に興味を持っていました。そんななかクラーク会館で開催された厚真町のイベントに何の気なしに足を運んだことがキッカケで厚真に興味を持ち、半年後に移住することとなりました。学生のみなさんにも興味を持ったことには躊躇うことなく飛び込んで欲しいと思います。」

 

厚真町で行われたいいね!Hokudaiでも協力

 

「いいね!Hokudai」でも藤田さんにお世話になっています。今年9月には、震災だけではない厚真町の魅力、そして北大との関わりを深堀りした記事を作成するため、厚真町を取材しました。その際、藤田さんには、取材対象者の紹介や現地の案内など、現地のコーディネートと同行をしていただきました。記事公開は2020年初頭を予定しています。お楽しみに!

 

(藤田さん(左端)に厚真取材のコーディネートや同行をして頂きました。ありがとうございます)


同じシーンの記事