北海道大学で働く教職員たちをバトンリレーのように紹介するシリーズがスタートします。
記念すべきトップランナーは、北海道大学大学院理学研究院 教授の栃内新さん。専門は進化発生学。動物の生殖・発生・再生のメカニズムから進化の謎に迫ろうと研究を続けています。
そして、栃内さんといえばブログ界のスター、5号館のつぶやきが有名ですよね。生物学から科学全般、 大学・高等教育、時事問題〜趣味としている動植物の観察日記まで、幅広いテーマを取りあげてわかりやすく解説されています。
北大のそばで生まれ、キャンパスを遊び場にして育ったという栃内さん。通学〜通勤歴は(学部入学から数えると)43年。北大の歴史とともに歩んできたそうです。
研究室を訪問してまず驚くのは、所狭しと並べられているカエルの置物たち。自分で買い求めたものではなく、ほとんどが栃内さんを慕う学生や卒業生たちからのプレゼントだとか。教え子たちから愛され、教え子たちを愛する栃内さんの人柄を感じることができました。
研究の必須アイテム、ヘッドセットのルーペを装着した栃内さんに、飼育室を案内して頂きました。研究対象のザリガニ、メダカ、カエル、ミジンコなどは、種ごとの生殖(どんどん増やすこと)を目的に飼育されています。一般的に生殖のためにはオスとメスが必要だと思われていますが、実はミジンコ、ザリガニはメスだけで「増える」ことが解っています。ではヒトは?と思わずたずねてみると「(そうですね。最近の女性はどんどんたくましくなっていますが 〜笑〜いまのところ)ほ乳類はメスだけでは発生しないんですよ」。環境にあわせて、子孫を残そうとたくましく進化する生物もいるのですね。
5号館5階の研究室の西向きの窓からのぞむ夕日(撮影:栃内さん)
次に研究から話題を変えて、5号館のつぶやきにもたびたび登場する「落日の景色」に ついてたずねてみました。実は、広大な北大キャンパスの中でも一番のお気に入りは研究室の窓から眺める夕日だとか。手稲連峰に沈んでゆく夕日を折に触れて カメラにおさめているそうです。栃内先生ってロマンチストなんですね♪
最後に栃内さんからバトンを渡すお友だちを紹介していただきました。次回のランナーは教育学研究院教授の大野栄三さんです。お楽しみに!