北海道大学の広い札幌キャンパスで友だちとおしゃべりして、大学の教室で講義を受けて、サークル活動をする……。私たち今年の新入生は、そんな想像していたキャンパスライフをまだ過ごせていない状況です。それでも北海道大学での大学生活を、目一杯充実させたい。そんな北大生を、安くて美味しい食事で支えてくれるのが、キャンパス周辺にあるご飯屋さんです。そんなお店の一つ、レストラン クラーク亭のオーナー、橋田竹雄さんにお話をうかがいました。
【屋敷祐奈・総合理系1年/飯塚舜・総合理系1年/岩田陸・総合理系1年/廣木健人・医学部保健学科1年/村上知広・総合理系1年】
北大の近くにあるクラーク亭
屋敷: 最初にクラーク亭を始めた時のお話をお聞きしたいです。
橋田さん: クラーク亭は今年で28年目かな。最初は北大病院の真向かいのセイコーマートの2階で開店したんです。お店を始めたときは、大学が近くていい場所なんじゃないかなと思ったんだけど、なかなか売り上げが伸びなくて、大赤字だったんですよ。でも3年ぐらい我慢したら、少しずつ病院関係の方や学生の皆さんに、来ていただけるようになりました。本当にありがたく思ってます。今の北13条門の前に移ったのは7、8年前かな?
飯塚: クラーク亭の名前の由来はなんですか?
橋田さん: お店が北大に近かったんで、お客さんに覚えてもらいやすいようにつけました。今はクラーク亭って名前をつけて、良かったと思っています。
岩田: お客さんの中で大体どのくらいが北大生なんですか?
橋田さん: 昼間の時間はね、サラリーマンの方が多いですね。このお店は、お客さんが好きな時間に来ていただけるように、普通のお店が一旦休憩を入れる3時から5時も開いているから、その時間帯は学生さんが来たり北大病院の方がお茶を飲みに来たりします。夜のお客はほとんどが北大の学生さんだね。いいお客さんばかりで、本当に助かってます。あとは、4月5月は北大の新歓で毎日100人以上の予約が入ることもありますね。
北大生に愛されるクラーク亭
屋敷: クラーク亭の看板商品はなんですか?
橋田さん: すべてのメニューに自信があるよ。うちのお店はハンバーグとチキンがメインで、お客さんもチキン派とハンバーグ派に分かれてると思うね。
屋敷: 何度食べてもおいしくてハマっちゃうということですね。
橋田さん: そうだね。常連になってくれる人もいるね。あとは、大学を卒業した学生さんが、社会人になって東京や大阪から札幌に戻ってきたときに「懐かしい! 久しぶり!」と言って来てくれたりもする。
岩田: それだけ学生から愛される理由はどこにあるんでしょうか。
橋田さん: 北大の学生さんたちは成長期で頭も使うから、高タンパクで栄養のあるうちのメニューがマッチしているんじゃないかな。あとは、この近くには、定食でお肉をいっぱい食べられるところがなかなかないから、そういうことも関係しているかもね。それから今のメニューの値段は、だいたい30年前の当時の値段とあまり変わっていないんですよ。
全員: えー!すごい!
橋田さん: 値段について、ちょっと詳しく言うと、今、牛肉の仕入れ値は、当時と比べて、すごく上がってるんですよ。ハンバーグはひき肉を使いますね。当初は業者さんに肉を挽いてもらっていたのを、今はお店で自分たちで挽いています。それで仕入れ値を下げている。結構努力しているんですよ。
屋敷: 手間をかけて値段を抑えるということをなさっているのですね。
橋田さん: 私たちがやっているお店だから、ちょっと頑張れば、お店が開いている時間に食材の仕込みができるんですね。改めて人を雇ってやってもらうんじゃなくて、こういう仕込みを自分でやることで価格を抑えているんです。学生の皆さんにとっても安いですよね?
全員: 安いと思います!
橋田さん: 僕もそう思ってる。値上げしようかとも思っているんだけど(笑い)。
マンガが読み放題のクラーク亭
飯塚: 僕、クラーク亭に来たのは今日が初めてで、マンガがたくさんおいてあるのに驚きました。
橋田さん: 私、若いころから漫画が好きで。厨房で暇なときに読んでいたものを、お店にちょっとずつ出してみたんですよ。そうしたらこのマンガ目当てで来てくれるお客さんも増えてきました。昔は小さい本棚2つくらいだったのが、今は結構な量になってますね(笑い)。うちのお店は、お客さんが3時間いても4時間いても文句言わないから、お客さんの中には、マンガを積み上げてずっと読んで、お店で二食食べていくっていう人も結構いますね。
屋敷: 席数が多いことで実現したんでしょうか。
橋田さん: そうだね。昔はすぐお店が満席になったんだけど、広くなって余裕ができたからね。試験期間になると、お店で勉強している学生さんもいますよ。
(広々とした店内。ここでマンガを読んで過ごせるのは至福のひとときとなるだろう。)
新型コロナ感染症とクラーク亭
村上: 最近の新型コロナ感染症の影響はいかがでしょうか?
橋田さん: 売り上げに関しては、閉店時間を早めて半分以下になった時期もありました。あとは、今年は新歓の予約が全部キャンセルになってしまったのもの大変でした。7月になって売り上げは、いつもの7割ぐらいですかね。正直今はお店を休んだほうがいいぐらいなんですよ(笑い)。
でもそもそもうちの店って、年末年始の4日間以外休まないのよ。だから、売り上げについては厳しいけど、お店を休むことはしない。他のお店が休まれているときに、食事に行くのにも困っている方がいらっしゃると聞いたので、うちのお店まで休んだら、お客さんが困っちゃうでしょ。あとは、衛生面には本当に気を遣っています。お客さんが帰るごとに、テーブルとかをアルコールで拭いたりとかね。
クラーク亭から北大生へのメッセージ
村上: 最後に、北大生にメッセージをお願いします。
橋田さん: 大学を卒業するつもりなら4年できちんと卒業する。大学院に進学したら最後までやり通す。かっこいいことを言うようだけど、大学生はまだ人生の途中だから、大事なことは社会人になったときに何をやるかだよなと思います。頑張ってねということで。
全員: ありがとうございました!
気になるお味は?
訪問時はランチタイムだったため、インタビューしたメンバーが、ランチメニュー5種類を注文して実際に食べてみました。味と感想をお伝えします。
ハンバーグの味は少し濃い目で、よく野菜と合い、ご飯が進んだ。ボリューム満点でおいしかった。(岩田)
卵が好きということもあり、ハンバーグに目玉焼きの組み合わせは最高だった。無料でライスを大盛りにできるらしいため、次はライス大盛りを試したい。(飯塚)
こんなに安い価格でお肉をたくさん食べられるのが素晴らしいと思う。また行きたくなる味だった。(屋敷)
低価格で量が多く、こんなにコスパがいいのかと驚愕した。味もとてもおいしく、何度でも食べたくなるような気持ちになった。(村上)
肉が柔らかく、味付けもおいしくて、ライスが進んだ。また、ライスの量も多く運動部の学生にはぴったりだと思った。(廣木)
インタビューを終えて
以上がクラーク亭さんの紹介となります。取材をしてみて、学生のことを思ってくれているお店がある北大に入学して本当によかったと思いました。まだまだ、新型コロナウイルス感染症は予断を許さない状況はありますが、このインタビューでお店に興味をもった方は、一度訪れてみるのはどうでしょうか。私は、チキンカツ定食がおすすめです!
◎インタビューは、手指の消毒、マスクを着用し、新型コロナウイルス感染症の予防に留意して行いました。
店舗紹介
レストラン クラーク亭
北海道札幌市北区北12条西4丁目10-3 LEE SPACE 北大前 1F
11:30~23:00(L.O.22:30)
年中無休(年末年始の4日間だけおやすみ)
この記事は、屋敷祐奈さん(総合理系1年)が中心となり、飯塚舜さん(総合理系1年)、岩田陸さん(総合理系1年)、廣木健人さん(医学部保健学科1年)、村上知広さん(総合理系1年)が、全学教育科目「北海道大学の”今”を知る」の履修を通して制作した成果物です。