和田はるかさんは、前回登場の梶田美穂子さんと同じ遺伝子病制御研究所に所属しています。夢は「iPS細胞の技術を使って、未来医療を創造する」こと。免疫学分野で、iPS細胞から、免疫細胞や免疫細胞の働きをコントロールする細胞を作りだす研究に取り組んでいます。臓器移植などで他人の細胞が入ってくると、免疫細胞がはたらいて拒絶反応が起きてしまいます。しかし、iPS細胞から作り出した細胞を使って、免疫細胞の働きをコントロールできるようになれば、「拒絶反応を制御できるようになるかも」と語ります。
一日の大半を過ごすのは、実験室の「クリーンベンチ」の前。ガラスで仕切られた中で、細胞を培養する準備をします。クリーンベンチは、常に濾過した「きれい」な空気を吸いこみ排気しているので、細菌などが中に入らないのです。「ゴーッという排気音が、集中力を高めてくれるんですよね。」
細胞を培養するには、プラスチック制の使い捨て試験管「ファルコンチューブ」を使います。透明のものと半透明のもので性能が違い、サイズもいろいろ。実験に適したものを選んで使います。行先表示板で使われているマグネットは、実験用に加工した切れ端を再利用して作ったお手製のもの。手書きのかわいらしいスマイルマークが印象的ですね。
息抜きは、仲良しの女性研究者数名で開催する女子会。月に何回も開催することもあるそうです。余市までニッカウヰスキーの工場を見学に行ったり、ウニ丼を食べに積丹まで出かけることも。今では、女子会のメンバーと共同研究の話も進んでいるそう。コミュニケーションやつながりを大事にする、和田さんの姿勢がうかがえます。
遺伝子病制御研究所の一般公開イベントにもスタッフとして関わっています。「「サイエンストーク」のコーナーでは、4名の先生が分かりやすくお話をしてくれます。」実際に機械に触ったりもできるようです。詳しくは、フェイスブックページ(http://goo.gl/M9bjV)を見てみてください。当日は、和田さんもスタッフの一人として、笑顔で出迎えてくれますよ。
和田さんからのバトンは、「女子会」メンバーの一人、南(ナム)ジンミンさん(医学研究科連携研究センター 特任助教)に渡ります。