近藤智彦さんからのバトンは同僚の蔵田伸雄さん(文学研究科教授)に渡りました。
「チョコレートは常備しています。疲れ果てた時にこれを食べると、まるで無人島で食料を見つけて、これで生き延びられる!という気持ちになるんですよね。」では音楽は?愛用のipodに入っているのは、ブルーハーツやウルフルズ。「ブルーハーツを聴けばカントがわかるんですよ(笑)。」カント哲学の専門家は、サラッとこたえてくれます。「リンダリンダの歌詞の『愛じゃなくても恋じゃなくても君を離しはしない。決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ』はカントと通じているんです。」と熱く語り、ガッツだぜ~とリズムをとる蔵田さんに元気を与えていることは間違いないようです。
研究室の中には他にも気になるものがありました。まずは、年代物と思われる机。最近のスチール机とは違い、木製でどっしりとした存在感があります。 40年以上前からこの研究室にあり、蔵田さんの前任者が着任した時には既にあったそうです。でもよく見ると、引き出しの取っ手が全て真ん中で割れています…。「引き出しはちゃんと使えますよ。たくさん入るし、頑丈だから上に本をたくさん載せられるし、使いやすいんです。」と愛着たっぷりの様子です。
さらに机の上には、これまた昭和のにおいを感じる電気スタンド。「エコなライトもたくさんあるけどね、これまだ使えるからもったいないでしょ。」物を大切にする蔵田さんですが、最近読んだ片付け術の本を参考に「ときめくものだけ残す。いらないものは捨てる。」を実践中。ちなみに今ときめくものは、やはり「カント」でした。カントの蔵書は何冊になるのでしょう。
週8コマの授業と、その合間を縫った執筆活動で毎日午前0時過ぎまで仕事に追われます。「研究する暇がないなぁ。」と苦笑しつつも、最優先に時間を使うのは、学生との時間だといいます。研究や進路のこと、そして悩みごとの相談まで、毎回時間を惜しむことなくじっくり話を聴くそうです。「学生には、北大に来てよかったと思ってほしいから、どんなに忙しくても必ず時間は作りますよ。」
ユーモアがあって熱血漢の蔵田さん。彼を慕って、毎日のように学生たちが研究室を訪れます。
さて次回のランナーは、青木茂さん(低温科学研究所准教授)です。お楽しみに!