5月1日、令和の時代が始まりました。札幌キャンパスの農場ではこれを記念して、無人トラクター5台の協調走行と方向転換のデモ走行が行われました。この研究の中心を担っているのは、野口伸さん(農学研究院 教授)です。デモ走行はTBS系列「ニュース23」の中継のために行われ、5月1日0時10分頃に全国放送されました。番組ではあわせて、岩見沢市の農場に無人トラクターで「令和」の文字を描く様子も流されました。
(夜のポプラ並木を背景に整列する5台の無人トラクター)
(岩見沢の農場に描かれた「令和」。左下に写っている車で文字の大きさがわかります)<写真提供:HBC>
無人トラクター1号機が開発されたのは今から28年前、平成3年(1991年)でした。それから時は経ち、昨年平成30年(2018年)にはイワキ、クボタ、ヤンマーの3社から無人トラクターが発売されるに至りました。これらの基盤となったのは、野口さんが開発した自動走行技術です。
野口さんは、日本、ひいては世界の農業問題を無人トラクター等のロボット技術で解決しようとしています。これまでの開発を振り返り、野口さんは「やはり、GPSや「みちびき」が使えるようになり、地球上のどこでも絶対値で精度良く位置を測定できるようになったことが非常に大きいですね」と語りました。そしてこれからの開発にむけて、「自動車の部品を使うといった工夫をしたり、海外に展開することで価格を下げることが大事でしょう。そしてやはり小型化することが日本の農業にとっては必要不可欠です」とお話していました。
(野口伸さん(農学研究院 教授)。今回のデモには研究室のメンバーも多数参加していました。「学生さんがいないと動かせないですからね」と野口さん)
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世界には、様々な解決すべき技術的・社会的課題が山積しています。しかし、日々少しずつ、そして着実に、これからも研究者たちは時代を変えていくことでしょう。
(多数の投光機やクレーン車までも投入しての大規模な撮影・中継でした)