北大の函館キャンパスに北海道大学総合博物館分館の水産科学館と図書館の機能を融合した「水産科学未来人材育成館」が開館しました。 通称「すいかみかん」と言われるこの施設、水産学部の学生だけはなく、一般の皆さまにも利用いただける施設となっています。 以前、『いいね!Hokudai』で建設中の様子を取材*1しましたが、ついに2024年10月からオープンしています。
まず目に入るのは、屋外に展示されているニタリクジラの骨格標本です。従来の水産科学館でも保管されていた標本ですが、このたび、貴重な標本資料としても新館を彩るシンボルとしても活用されることとなりました。

この建物の中には、水産科学館、図書館のほかに実験設備や北大生協水産店なども入っています。 特にこの記事では水産科学館を中心にご紹介します。
水産科学館がリニューアルオープン
2025年4月にリニューアルオープンした水産科学館は、「剥製」・「水産学部」・「博物館」の3つのエリアとバックヤードとなる資料収蔵室が一般開放されています。
- 水産科学館の開室時間:10:00〜16:00 (休館日:日・月曜日/祝日)
入館してすぐに見られるのが「剥製」のエリアです。セイウチなどの大きな海獣類の剥製から海に棲息する哺乳類や鳥類などさまざまな生き物の剥製が展示されています。

「水産学部」のエリアでは水産学部にある4学科の特徴や研究内容を紹介する展示が並んでいます。2025年の取材時には、プランクトンネットや北極航海、紅藻にまつわる研究など多数の展示を見ることができました。しかし、水産学部で実施している研究は幅広く、水産科学館のスペースには到底おさまりきりません。各学科の展示内容は今後、更新することも検討されているそうですので、繰り返し来ていただけると、訪れるたびにまた違った学科紹介を楽しむことができるかもしれません。各学科の研究を学んだ後は「博物館」エリアで水産学部の歴史に関する資料をご覧いただくのもおすすめです。
資料収蔵室では船にまつわる展示をご覧いただけます。漁船の模型や北大の附属練習船の資料が展示されています。資料収蔵室にも海の生き物を展示するスペースがあります。その他、肝油工場の模型など水産業にまつわる展示を幅広く取り扱っています。

さらに図書館で学びを深める
水産科学未来人材育成館内には図書館もあります。一般の方も身分証明書の提示のうえ、ご利用いただくことができます。水産・海洋科学に関する書籍、資料を中心に幅広い学問分野を揃えています。館内には落ち着いて書籍を閲覧できるスペースも整備されており、学びを深めるには絶好の環境となっています。
- 図書館の開館時間:9:00~20:00│平日 13:00 ~ 20:00│土日 (休館日:祝日)

さらに、水産科学未来人材育成館内のホールや実験室も企業・自治体・一般の方に貸出を行っています。 詳細は本文末の水産科学未来人材育成館のWebサイトをご確認ください。
地域の方々と一緒に
このように水産科学未来人材育成館は北大生だけでなく、地域の方々とともに水産分野の研究や学びを深めていける場所になっています。
函館や近郊にお住まいの方はもちろん、 遠方の方も函館にお越しの際は、ぜひ水産科学未来人材育成館に来て水産学部の研究に触れていただけたら嬉しいです。短い時間で北大水産学部のあれこれを一気に見られるおすすめの場所です。
開館時間(2025年11月現在)
- 水産科学未来人材育成館の開館時間:7:00~22:00
- 水産科学館の開館時間:10:00~16:00 (休館日:日・月曜日/祝日)
- 図書館の開館時間:9:00~20:00│平日 13:00 ~ 20:00│土日 (休館日:祝日)
上記は一般的な開館時間です(2025年11月現在)。 最新情報は各ウェブサイトでご確認ください。
注・参考文献
1.いいね!Hokudai「水産科学未来人材育成館、ただいま建築中!」, 2023年6月30日(最終閲覧日:2025年10月30日).
2.北海道大学 大学院水産科学研究院 大学院水産科学院 水産学部「水産科学未来人材育成館」, 2024年9月6日, 最終更新日 2025年4月14日(最終閲覧日:2025年10月30日).