二十四節気の寒露を過ぎ、雪虫も舞い始めた。札幌キャンパス。仕事に向かう道途中、ふと、足元を見ると、10ミリほどのやわらかそうな赤い丸い実が、濡れたアスファルトの上に散らばっていました。
見上げると、薄青い空を背景にして、陰ることでより濃緑色を増した枝の葉裏に、イチイ(Taxus cuspidata)が赤い実をつけていました。小枝の先は、実の重さで、しなっているかのよう。「たわわに実る」とはこういうことをいうのでしょうか。果実は、光を通すことで、さらにその透明度を増し、葉の緑と実の赤のコントラストを際立たせています。構内の木々からは、もう晩秋の趣も感じます。