創設されて50年以上の歴史を持つ、北海道大学落語研究会では学内外で定期的に寄席を開催しています。その中のひとつ、苦楽亭迷人会は二年に一度しか開催されない、ビッグイベントです。いいね!Hokudaiでは、開催日当日、Facebookにて生中継を行いました。今回はその時の出演者をひとりひとり紹介します。
好過亭 捨憂男子(すきすぎてい しゃるうぃーだんす)/佐藤丈生 理学部2年
落研二年目で、千葉県千葉市出身の佐藤丈生さんは落語研究会の他のメンバーに比べて、自称「まとも」とのことですが、まともがゆえに、イジりようがなく、話すネタもなくて、苦労が尽きないそう。落語では全力でヘンな人を演じようと努力を重ねています。
(飯野菜帆さんの演目は「寝床」)
百鬼家 洸(ひゃっきや こう)/飯野菜帆 水産1年
落研一年目の飯野菜帆さんによると、北大落研のメンバーは落語が好きでやっているというよりは、褒められたい、認められたいという承認欲求の気持ちが強いのだそうです。飯野さん自身も、お客さんの笑顔や拍手がなにより嬉しいのでしょうね。
好過亭 悶ん門(すきすぎてい もんもん)/松下壮哉 文学部1年
羽織をまとって高座に上がった、松下壮哉さんは同じく一年目。松下さんは小学生の頃から無類の落語好きで、NHK教育テレビの「日本の話芸」をよく鑑賞していたそうです。落語の世界で羽織を着られるのは、真打のひとつ前の「二つ目」からなのですが、きっと憧れがあって、今回まとったのでしょうね。
楡 茶々紅(えるむ ちゃちゃべに)/大木紗也佳 総合理系1年
たくさんのお客さんを前に、今年一番緊張をしているものの、今年一番がんばります!といって前口上を述べた、大木紗也佳さんも同じく一年目。名前の楡はまさに北大らしいですね。落語は、前口上・マクラ・本題・サゲで構成されるのが一般的で、大木さんの本題はなんと間男のお話です。
一歩程々々 何処迄然(あるいていあるいてい どこまでも)/土田幹久 北海学園大学2年
大きな身振り手振りとユーモアをまじえながら自己紹介をはじめた、土田幹久さんは落研二年目で、経験の高さを感じさせる話しぶり。苦楽亭迷人会の打ち上げに参加できないほど、生活に困っているという土田さん。自宅にはテレビ、電子レンジ、冷蔵庫、机、カーペット、イス、カーテンなどがないといって、お客さんに不要になった物品の寄付をお願いしながら、笑いをどっととっていました。そうやって、前口上で場をあたためて、話の本筋にもっていくのはさすが二年目という感じでした。
苦楽亭迷人会のトリは三年目の竹中雄心さんです。松下さん同様、羽織を着て、高座に上がりました。北大入学前は、北海道北見市で暮らしていた竹中さんは高校時代に演劇部の活動を見て、パフォーマンスをすることに憧れていたそうです。北大入学後、新歓の時期に、落研の先輩の落語を見学したら、自分でもできるのではないかと思い、入ることを決意したとのこと。三年目とあって、落語は堂々たるものです。竹中さんの落語を見て、落研に入ろうと決意してくれる新入生がいたら、本当にステキなことですね。