国際生物学オリンピックの金メダルに、カムイサウルスがデザインされました。むかわ竜ことカムイサウルスは北海道むかわ町穂別で発掘され、本学の小林快次さん(総合博物館 教授)が中心となって研究された恐竜です。体積換算で全身の8割もの骨格が発掘され、さらに2019年9月には新属新種と認定されました。日本のみならず世界的にも重要な位置づけをもつ発見であり、今年開催される国際生物学オリンピックの金メダルに相応しい選択といえるでしょう。
小林さんは以下のようにコメントを寄せています。「日本を代表するカムイサウルスが、このように金メダルに使っていただけるのは大変光栄なことです。カムイサウルスは、日本の恐竜ながら世界に誇る恐竜です。この金メダルを目指す生物好きの若い世代が、カムイサウルスのように世界に羽ばたき活躍することを願っています」
国際生物学オリンピックは、世界中の高校生が参加し、生物学の知識と技能を競いあう大会です。1990年から毎年開催され、日本で開かれるのは2009年のつくば大会に続き2回目です。今回の第31回大会は、世界81ヶ国からの参加者が集まり、長崎県佐世保で7月3日から11日に行われる予定でしたが、新型コロナのためリモート大会での開催に変更されました。
既に書類審査は始まっており、8月11日に実験試験が行われます。これまでの大会では手技を用いる実験による試験でしたが、今回は対面での実験はできません。そのため、バイオインフォマティクス(生命情報科学)に関するオンライン上での実験となりました。翌日12日には理論試験が行われ、24日に成績が発表される予定です。金メダルは成績の上位10%に授与されます。
ちなみに金メダルはカムイサウルスKamuisaurs japonicsですが、銀メダルはトキNipponia nippon、銅メダルは長崎県の樹木でもあるヤブツバキCamellia japonicaと学名に日本に関する名前が入っており、日本大会らしい趣向になっています。
「いいね!Hokudai」も北の地から、夏の長崎という象徴的な地で開催される科学の祭典に参加する皆さんを応援したいと思います。
【川本思心・CoSTEP/理学研究院 准教授】