10年前の今日、「3月11日」は特別な日になりました。東日本大震災は私たちにとって、あまりにも衝撃的な出来事でした。地震・津波により、多くの命が失われました。福島第一原子力発電所事故により、多くの人が避難を強いられました。被災地の復興は今なお続いています。
あの日から「3月11日」には、各所で様々な東日本大震災ひいては災害・防災について考える機会が設けられるようになりました。札幌市の地下歩行空間では毎年、市民有志によるイベント「3.11SAPPORP SYMPO」が開催されています。
会場プログラムの一つである「3.11SAPPORO Library -災害・防災関連図書展示ブース-」に足を運びました。この展示ブースは一般社団法人北海道ブックシェアリングによって収集された、自費出版や小部数のものも含めた災害・防災図書が展示されています。
私たち「いいね!Hokudai」も北海道ブックシェアリングの活動に協力し、2018年に発刊した『災害と北大2018』を寄贈しました。その冊子も会場に展示されています。
北海道ではここ数日、有珠山の火山性地震への注意を呼びかけるニュースが流れています。東日本大震災だけでなく、災害は全国各地で起こっています。
札幌の地下歩行空間で「3.11SAPPORO Library -災害・防災関連図書展示ブース-」を展開する思いを北海道ブックシェアリング代表理事の荒井宏明さんにお話しを伺いました。
なぜ札幌で災害・防災関連図書の展示をやろうと思ったのでしょうか。
特に、北海道胆振東部地震があってからは、災害は三陸沖だけではない、ということが常識になっています。いつ、どこで、起きてもおかしくないです。ということは、東日本大震災から学ぶことは東北だけでなく日本全国が学ばねばならないと思っています。
全国の一人ひとりが「自分ごと」と捉えることが大切ですよね。東日本大震災から10年が経過しました。災害・防災関連図書を収集し続けている思いを聞かせて下さい。
10年というは地球からしてみたら瞬きの間ですよね。でも人間はその間に未来についていっぱい考えたり、未来への目の向け方が変わったりします。今回のコロナもそうですよね。人類はそういうことを繰り返してきたんだと思うんです。そういうときに基礎資料がしっかりしていないと、極端な方向、間違った方向、浅ましい方向に行ってしまわないとも限らないと思います。なるべく公平に、事実に基づいた多様な意見が確保されていること、多様な視点が確保されていることは、これからのまちづくりに必須だと思っています。
次の世代に記録や記憶を伝える活動ですね。
そのうち、そういった子供たちも東日本大震災やコロナの影響について振り返る時期がくると思うんですよね。そうなったときに、しっかりと資料が残っているか、ということに繋げていきたいですね。
未来をつくるために記録をつなぐ
東日本大震災から11年目が始まりました。一人ひとりが東日本大震災から学び、災害・防災を自分ごととして捉えることの大切さを改めて感じました。今日は、東日本大震災のこと、災害・防災のことを考えたり、誰かと話してみてはどうでしょうか。
『災害と北大2018』を紹介しているこちらの記事もご覧ください
- 【歳時記】災害と北大2018 ~台風20号・21号、北海道胆振東部地震の記録~(2019年3月29日)
「3.11SAPPORP SYMPO」は3月11日(木)19:00まで開催されています。ぜひ足を運んでみて下さい。
3.11SAPPORO SYMPO 11年目の3.11
日時:2021年3月10日(水)11:00~19:00、3月11日(木)11:00~19:00
場所:札幌駅前通地下歩行空間
参加費:無料・事前申し込み不要
詳細はこちら
※イベントは終了しました
【小林 良彦・CoSTEP特任助教】