2021年度がはじまりました。天気も上々で心機一転といきたいところですが、引き続き新型コロナ対策に気を配る日々が続きます。北大の新型コロナ行動指針(BCP)レベルは「レベル2:制限(中)」を5月上旬まで維持することが3月11日に決定済みです1)。これに基づき、対面授業を実施する科目についても5月6日まではオンライン授業が行われます。
この2週間の北海道の感染状況は、陽性者が42~96名/日2)、実効再生産数が0.92~1.123)で増減しています。現在、急速な拡大傾向にあるわけではありませんが、感染収束への目安である実効再生産数1以下にはなっておらず、減少傾向に歯止めがかかっています。年始の200名/日以上ピークは2月下旬に向けて下がりましたが、3月から再び上昇し、最大96名/日のピークの波が形成されています2)。今私たちはその不安定な波の中にいる状況です。
去年と現在の感染状況を比べてみると、去年3月30日の陽性者は1人で、その周辺日も一桁です。一方、今年の3月30日は56名です2)。当時と比べると現在の危機感はだいぶ薄れてきているのではないでしょうか。年度末と年度初めは進学や卒業、就職等にともなって、人の移動や会食の機会がどうしても増えてしまいます。変異株も現れており、入院状況は既に第3波のピークに近づいているという分析もあります4)。他地域と同様に北海道でも再び急速に感染が拡大する可能性も充分にあります。このような背景があるため、BCP2が継続されることになっています。
とはいえ、個人でできる対策の浸透だけではなく、症状の解明や治療方法の確立も進み、ワクチンの接種も医療従事者を中心に始まりました。そのため、今年度の入学式は4月6日に午前の部と午後の部の2回にわけて、札幌コンベンションセンターで入学者のみが参加して対面実施される予定です5)。また、研究活動が実施しやすい内容にBCP2の内容も修正されています1)。
(旧)現在進行中の実験・研究を継続するために、必要最小限度の研究室関係者のみ短時間の立ち入りを許可するが、それ以外は自宅で研究活動を行うこと。
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(新)感染拡大に最大限配慮して、研究活動を行うことができるが、研究室関係者は、密閉する、密集する、近距離での会話等を行う環境になっていないかを確認し、可能な限り現場での滞在時間を減らす。
BCPレベルは5月に北海道の要請や北大内の感染状況等を踏まえて変更の判断する予定になっています。5月には感染が落ち着くように、今一度何ができるかを確かめ(6、できる人ができることに取り組んでいきましょう。誰かのための対策は、めぐりめぐって自分のためになるはずです。
【川本思心・理学研究院/CoSTEP准教授】
参考文献:
- 北海道大学新型コロナウイルス感染症対策本部 2021: 「新型コロナウイルス感染拡大防止のための北海道大学の行動指針(BCP)R3.3.22(一部改定)」(2021年3月31日閲覧).
- JUST道IT 2021: 「北海道新型コロナウイルスまとめサイト」(2021年3月31日閲覧).
- 東洋経済 2021:「新型コロナウイルス 国内感染の状況」(2021年3月31日閲覧).
- 岸田直樹@kiccy7777 2021.3.31.22:31(2021年3月31日閲覧).
- 北海道大学 2021: 「令和3年度入学者 北海道大学入学式(学士課程)のご案内【4/6(火)】」(2021年3月31日閲覧).
- 札幌市 2021: 「新型コロナウイルス感染症の予防について」(2021年3月31日閲覧).