先日、石山通にかかる「あの橋」こと跨道橋が撤去されるという記事をお伝えしました。「そんなところに橋があったの?」と思った方にも、「ああ・・・あの橋」と思い出した方にも、ここで突然クイズです。北大札幌キャンパス(植物園は除く)には他にも橋があります。では、橋はいくつあるのでしょうか?
【川本思心・理学研究院/CoSTEP准教授】
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答えは7本です(2021年9月3日時点)。そのうち5本が札幌キャンパス内を流れるサクシュコトニ川にかかる橋です。ごくごく小さな橋もありますが、7本の橋を順番に見て行きましょう。
1.跨道橋
【MAP】知る人ぞ知る「あの橋」。農学部の裏と、石山通の向こうにある札幌研究林 実験苗畑を、東西に結ぶ橋です。橋の東端はカーブをえがき北側へ、西端は逆に南側にのびているため、上からみると逆S字形をしているのが特徴です。このカーブと跨道橋ならではのアップダウンによって、わずか140mほどの道行きで多彩な景色を楽しむことができる橋でした。
惜しまれつつも「あの橋」の撤去工事は2021年8月23日から始まっています。札幌キャンパスに架かる橋も近いうちに7本から6本に減ることになります。
2.“中央ローン橋”
【MAP】正門を入って200mほど進み、右手に図書館、左手に中央ローンを望むあたりにある橋。サクシュコトニ川を跨ぐこの橋からの風景は北大随一といってもよいかもしれません。人通りも多く、車も通れる橋で、車道部分と歩道部分は別構造になっています。
実はこの橋、特に名前がありません。今回とりあえず“中央ローン橋”と名づけてみました。なんと以降で紹介する橋にも名前がありません。もし「こんな名前で呼んでいるよ」「こんな名前がよいのでは?」という読者の方がいらっしゃれば、ぜひFacebookにコメントをおねがいします!
3.“百年記念会館橋”
【MAP】“中央ローン橋”から60mほど下流にいくと、ごくごく小さい橋があります。この橋にも名前がありません。ちょうど百年記念会館の裏手にあるので、“百年記念会館橋”と名づけてみました。
この後、サクシュコトニ川は北へ流れ、三ヶ所の暗渠をくぐって、ひょうたん池こと大野池に至ります。
4.“第1ひょうたん橋”
【MAP】憩いの場所、ひょうたん池の南側にはサクシュコトニ川が西に向かって流れています。大野池をぐるりと囲む木道と一体化しているため気付きにくいですが、ここにも橋・・・木道・・・いえ、橋がふたつあります。池の名前にちなみ、メインストリートに近い上流側の橋を“第1ひょうたん橋”としました。
5.“第2ひょうたん橋”
【MAP】ひょうたん池の西側にあるのが“第2ひょうたん橋”です。“第1ひょうたん橋”とデザインが異なります。この後、サクシュコトニ川は林の中に消えた後、暗渠にもぐって北西に600mほど流れて行きます。
6.“恵迪橋”
【MAP】穴場中の穴場。恵迪寮の北側裏手の駐車場から林の中を通り、石段を降りると現れるのが“恵迪橋”です。橋の向こうは交通量も多いエルムトンネルの出口付近。静けさから一転、騒々しい世界に連れ戻されます。
7.“花木園橋”
【MAP】最後の橋は、ポプラ並木横にある花木園の池にかかる“花木園橋”です。花木園内には新渡戸稲造の像があるため、“新渡戸橋”と名づけようかと一瞬おもいましたが、「我、太平洋の橋にならん」と言った新渡戸の名を冠すにはあまりにも慎ましい橋なので控えました・・・
橋という場所
橋はあちらとこちらを結ぶ道。常に流れ、あるいは留まることができない場所との交差点。キャンパスにかかる橋は、そこに多様な空間があることを教えてくれます。幾何学的に区切られた道路ではなく、様々な「道」があることが、北大らしさを醸し出す源泉のひとつなのかもしれません。さておき、「あの橋がない!」という方はぜひ『いいね!Hokudai』に情報をお寄せください。北大にはまだまだ知られざる場所があるはずです。
取材協力:
- 北海道大学総務企画部広報課・施設部環境配慮促進課・文書館
跨道橋を紹介しているこちらの記事もご覧ください
【チェックイン】#153 さよなら、あの橋(2021年08月31日)