2025年、今年は十二支の「巳年(蛇年)」です。「巳(み)」は古来より再生や変容、そして守護の象徴とされ、特に蛇の脱皮を通じて新たな姿へと変わるその生態は、生命の循環を思い起こさせます。
札幌キャンパスに舞い降りた雪の結晶を眺めていると、日本の文化や自然観と深く結びついた「巳(み)」や蛇、そして白蛇(シロヘビ)について思いを馳せたくなります。
「巳(み)」は、十二支の第6番目に位置します。その形は蛇がとぐろを巻いた姿に由来し、再生や変容を繰り返す生命の循環を象徴しています。また、3月の最初の巳の日に行われた「巳の日の祓い」や、弁財天の縁日である「己巳(つちのとみ)」など、日本文化において穢れを清め、再び新しい一歩を踏み出すための儀式とも深く関わっています。この浄化と再生のサイクルは、四季折々で表情を変える札幌キャンパスの姿とも重なります。
12年前の今日、『いいね!Hokudai』の記事で紹介された白蛇(シロヘビ)は、縁起物として特別な存在です。シロヘビはアオダイショウの白化型(アルビノ)で、山口県岩国市の白蛇は国の天然記念物に指定され、神の使いとして大切にされています。その神秘的な姿と穏やかな性質から、白蛇は守護神として多くの神社で祀られ、家に現れた白蛇は「家を守る神」として崇められました。特に水神の使いともされる白蛇は、雪や氷の清らかさとも通じる存在です。
蛇年は「変化」を受け入れ、新たな挑戦を始める年とも言えます。蛇のように柔軟でしなやかに、自分を成長させるための脱皮を繰り返していく姿勢が求められる年です。北海道大学に集う人たちは、学びの中で新しい知識や経験を吸収し、次々と自らの「脱皮」を繰り返しているのではないでしょうか。冬の札幌キャンパスで見られる雪の結晶も、挑戦と成長を象徴するように感じられます。
2025年、巳年の今年が、蛇のようにしなやかで、成長と新たな挑戦に満ちた一年になることを願っています。