地面に積もった落葉を踏みしめる時のカサカサという音が、秋の深まりを感じさせます。
昔教科書で習ったヴェルレーヌの詩を思い出す方も多いのではないでしょうか。
あるいは、落葉のメカニズムや機能に興味を持つ方もいるかもしれません。
落葉
秋の日の
ヴィオロンの(*)
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。
鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。
げにわれは
うらぶれて
こゝかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。
(上田敏『海潮音』所収/青空文庫より)
*実際の表記は濁点付き片仮名ヰ。