「みんなのおすすめスポット大調査!」のアンケート回答をもとに以前お邪魔した、北20条東1にお店を構える老舗カフェ「コーヒーハウス ミルク」。
記事の中で、大人気メニューの「ジャンボチーズトースト」をいただき、看板猫ちゃんたちに癒された様子をご紹介しました。
(過去記事:「コーヒーハウス ミルク」にて、猫とジャンボチーズトーストで満たされるひととき – いいね!Hokudai)

実はこのお店の魅力は、前回ご紹介したかわいい猫ちゃんや、ボリューミーなトーストだけにとどまりません。
お店のマスターが若いころから音楽をやられていた関係で、古くから札幌の音楽界隈とつながりが深く、お店の長い歴史を札幌の音楽シーンと共に歩んできたようです。
このカフェにはバンド練習ができるスタジオが併設されているのですが、なんとこのスタジオでは過去にサカナクションやthe pillowsといった有名ロックバンドのメンバーも練習していたそうです。さらに、あの中島みゆきさんも昔足を運んでいた場所であり、1978年発売のアルバム「愛していると云ってくれ」に収録された「ミルク32」という曲の舞台となったカフェなのだとか。
最近もHPやインスタグラムなどで、さまざまなアーティストの方々が足を運ばれている様子がうかがえます。
・「サカナクション」のベーシスト、草刈愛美さん
・「Metalchiks」「ニューロマンティックス」のドラマー、吉村由加さん
・「The pillows」のギター&ボーカル、山中さわおさん
(コーヒーハウスミルク & STUDIO MILK : 訪ねてくれた)
・「go!go!vanillas」のドラマー、ジェットセイヤさん
(ジェットセイヤさんInstagramより)
・「Drop’s」のギター&ボーカル、中野ミホさん
(Drop’s のInstagramより)
今回、店主の前田重和さんと妻の彰子さんから、お店の歴史や開店に至った想いなどを伺うことができました。

開店当時のエピソード
どんなきっかけでお店を始めたのでしょうか?
1970年代当時、フォークを歌える店はすすきのにちょこっとあったんだけど、お酒を飲みながらやっているような雰囲気だった。フォークはシリアスな歌もあるから、ちゃんと音楽を歌って、ちゃんと受け取れる場所を作ろうと思って、ライブハウスを兼ねた喫茶店を始めようとしたんです。
お店を立ち上げるときには資金が限られていたため、お店の内装は当時の仲間たちと手作りで作ろうということになってね。木材を買ってきて、学生時代からの仲間やできたばかりの北大フォークソング研究会のメンバーなんかが手伝ってくれて、6か月かけてお店が完成しました。本当は2か月くらいで完成する予定だったんだけど、みんなで麻雀とかしながら作業していたら長くなっちゃった(笑)。今お店にあるこの木のテーブルも、当時手作りしたもののまま。
うちの開店記念でやる予定だったライブのチケットがあるんだけど、名前を見てごらん。

麻雀やっててお店の完成が間に合わなかったので、タイトルを変えてコンサートだけやった(笑)。
当時はオイルショックだったから「不況克服」コンサートって言ってね。
出演者は中島みゆきと、当時そのライバルだった宮越くん(なんと「宮越屋珈琲」現社長の宮越陽一さん)でした。
中島さんや宮越くんとは当時ライブ仲間で、私も一緒にライブに出たり、うちら主催のライブに来てもらったりしてましたね。
併設スタジオはどのような経緯でつくられたのですか?
お店を始めた5年くらい後に、当時仲間とやっていた「ツーアウト・フルベース」という音楽フェス(あの「ライジング・サン・ロック・フェスティバル」の元になったイベント)に出演するバンドの練習場所がない、となって作りました。その頃はまだスタジオがなくて、バンドも少ない時代だった。
その後、長い間このスタジオを運営しながら、いろんな音楽イベントとかも主催してきました。その歴史の中でたくさんの人がこのスタジオで練習して、その中からメジャーデビューする人たちも出てきたりして。the pillowsの山中さわお君や、サカナクションのあみちゃん(草刈愛美さん)もその一人で、今でも実家に帰ってくる時にたまに顔を出してくれたりしますよ。
人気のポイントや「猫カフェ」としての歩みについて
カフェとしては、どんな層のお客さんが多いのでしょうか?
少し前は若い女の子がすごく多かったけど、最近ちょっとまたお客さんの年齢層が広がりました。結構留学生や外国人観光客の方も来ますね。あと、中島さんの影響で全国から来る人も昔からいる。他にも、札幌に観光に来てホテルのチェックインまでの時間つぶしに「猫が可愛いから」と寄ってくれる方もいらっしゃいましたね。猫のおかげで生きながらえてますよ、猫の餌代を稼ぐためにお店やってる(笑)。
猫を飼い始めたきっかけはなんだったのでしょうか?
猫を飼い始めたのは30〜40年前のことで、当時はエアコンがなくて窓を開けていたから、野良猫がよく遊びに来ていたんだよね。その後、うちの親父がボケないようにと子猫を飼い始めたのがきっかけで、今は4代目の猫たちが店にいます。

看板猫として有名になったのは2代目の「サブちゃん」の頃からかな。今は「チビ」「ココア」「お嬢」「ガジュマル」がいて、SNSに猫の写真を上げると、それを見たお客さんがたくさん来てくれるんです。


最近は、SNSでチーズトーストがバズった影響もすごくて。フォロワーが何万人もいるグルメ系インフルエンサーの方が、トーストのチーズが伸びる動画をアップしてくれたんです。それ以来、冬でも行列ができるくらい、若い女の子もたくさん来てくれるようになりました。
このトーストには、バジルとオレガノを効かせた3種類のチーズをブレンドしています。お客さんの感想も聞きながら、いろいろと試行錯誤を繰り返して、今の配合にたどり着きました。他には、クリームソーダも「絵に書いたようなクリームソーダ」だと人気ですよ。


今回のインタビューでは、「コーヒーハウス ミルク」の歴史をお聞きしながら、今人気のメニューや猫ちゃんについてもお話を伺うことができました。
札幌の音楽文化を長く支えてきたお店が、今もSNSでバズる人気店として続いているのはとても素敵ですね。
前田さんご夫婦の温かく朗らかな人柄が、たくさんの人たちを惹きつけてきたのだろうと思います。
みなさんもぜひ、立ち寄ってみては。
今回取材したお店
「コーヒーハウス ミルク 」
札幌市東区北20条東1丁目2-41 前田ビル1F
営業時間 14:00~24:00
定休日 12月31日~1月4日
参考文献
- 北海道大学CoSTEP, 「「コーヒーハウス ミルク」にて、猫とジャンボチーズトーストで満たされるひととき」, いいね!Hokudai, 2025, https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/like_hokudai/article/35482, 2025年12月8日(最終閲覧日: 2026年1月14日)
- コーヒーハウス ミルク & STUDIO MILK, 「訪ねてくれた」, http://www.milk32.com/2022/04/blog-post_6.html, 2022年4月6日(最終閲覧日: 2026年1月14日)
- JETT SEIYA (ジェットセイヤ), Instagram, https://www.instagram.com/p/BXrOTv5lkEw/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=NTc4MTIwNjQ2YQ==, 2017年8月12日(最終閲覧日: 2026年1月14日)
- Drop’s_official, Instagram, https://www.instagram.com/p/B201H4dptLu/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==, 2019年9月25日(最終閲覧日: 2026年1月14日)