6歳の頃から貝殻を集めている藤井賢彦さん(大学院地球環境科学研究院 准教授)。今でも海が近い地域に出張にいくと、朝食の前に起きて海辺に行きます。海辺で拾った貝は、小学生のお子さまにプレゼントします。貝を拾うのも楽しいですが、海辺に漂流した生き物を観察することが醍醐味で、ふぐやサメの屍骸など、陸にうち上がっている珍しい生き物を見つけます。
幼少期から大切に使っている本。色褪せ具合が長い年月を感じさせます。
本を裏返すと、少年時代の藤井さんが書いた名前がありました!かわいい!
鳥羽水族館から取り寄せた本です。破けた後や、色の変色具合からは、何度も何度も見返したことがわかります。左側は『ワールドシェルズニュース』という貝コレクター向けリストです。なんと、6歳の頃からの持ち物だそうです。
本を開くと、貝に印がつけてあったり、冊子がバラバラにならないようにセロハンテープで止められていました。
貝以外のコレクションも見せてもらいました
白くて長いこの不思議な生物は、『カイロウドウケツ』です。海底に固着して生活をしている海綿の仲間で、見た目は白くて柔らかそうですが、実はガラス繊維でできているためにとても固いです。ドウケツエビが雄雌一対でカイロウドウケツの中で暮らすことで有名です。
きれいな星形をしているのは、ヒトデの骨格です。
細かいヒダが特徴的な『クサビライシ』です。
たくさんの穴が空いているように見えます。サンゴ『キクメイシ』の屍骸です。カラフルなものが多く存在します。
アート作品のようなきれいな形の生物
表面は固くてぶつぶつした手触り。アート作品のようなきれいな形をした生き物の殻、これはウニの骨格です。
こちらは一回り小さなウニの骨格です。
幼少期時代の図鑑でウニについて確認します。
骨格の下に位置する部分には、穴が空いています。
花びらのようなかわいいい模様。これもウニの仲間『タコノマクラ』の骨格です。
ずっと貝を集めているのですか?
「大学時代は天文学に興味がありました。大学3年生のときに海洋実習があり、そのときに貝を拾ったのがきっかけで、再び貝を集め始めたんです。専門の一つである海洋学も、その頃から研究しています。海をテーマに環境教育の活動もしていますが、こどもが海に行く機会が減っていています。学校のカリキュラムには海を題材にしたものがないので、子どもたちの海離れが心配です。」
自宅にもコレクションがあるそうですが、物が増えると奥様におこられるとのこと。そんな話をしながらふと水道をみると、タワシの下に貝が!「自宅の石けんやタワシはみんな貝の上に乗ってるんですよ。」と少しドヤ顔。海の宝石は、観賞用としてではなく、日用品としても役に立っています。
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ー前編はこちら
【みぃつけた】#004 海辺の宝石!貝殻コレクション (1)
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ー藤井さんの研究室
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