北大のすぐ南、北8条通りに大きな赤い提灯を掲げるジンギスカンと小料理のお店「義経」。今日、5月19日で54年目を迎えます。長きにわたってお店を切り盛りする三姉妹の原動力は、たくさんのお客さんに支えられているという感謝の気持ちでした。
【佐々木学・CoSTEP修了生/北海道大学職員】
やさしい味付けのジンギスカンが美味
義経の看板メニューであるジンギスカンは、53年間変わらない美味しさ。初めてのお客さんには、お店の方が丁寧に焼いてみせてくれます。ガスコンロにジンギスカン鍋を載せて点火し、鍋が温まったら、まずは野菜をまんべんなく並べます。そしてその上にお肉。ほんのり甘じょっぱいタレがよく馴染んだラム肉を、野菜の上でじっくりと蒸し焼きにして、ほどよく熱が通ったところで、お皿に取り分けてくださいました。ラム肉の香りと野菜の甘み、そしてそれを引き立てるタレの味わいは、白いご飯はもちろん、ビールや日本酒にもよく合います。
(鍋は小さ目なので、1人前からでも大丈夫)
お客さんに支えられて、あっという間の53年
テーブルが並ぶ店内を進むと、奥にはカーペット敷きの部屋が幾つかあり、靴を脱いで広々とくつろげる空間になっています。今ではこんなに広い店内ですが、創業当時は5坪しかなかったと、創業者である廣瀬美代子さんは振り返ります。
(84歳になる美代子さん。ほぼ毎日お店に出ています)
昭和37年、妹の美津子さんと一緒に、自転車修理屋の一角を格安で借りて、ジンギスカン一本でお店をスタート。何年かして、一番下の妹の弘子さんも加わり、三姉妹で力を合わせながら切り盛りしてきました。ウイスキーをコップに並々と注いでしまい、お客さんに怒られたこともあった、と笑う美津子さんですが、創業から丸53年、ここまでやってこれたのは、本当にお客さんが支えてくれたおかげだとお話してくださいました。
義経と北大とのつながり
長年北大の近くでお店を開いているため、北大の人々とは様々な交流あります。学生の頃から通っていて、今では先生というお客さんも。要職をつとめた著名な先生方もよく訪れたそうです。そんな長年の御縁ということで、総合博物館に寄付もして頂いています。
地球儀は、お客さんとのコミュニケーションツール
カウンター越しにキッチンをうかがうと、小さな地球儀が目に止まりました。海外出張から帰ってきた北大の先生方と話すときに、とても役に立つのだと弘子さん。海外のお土産もたくさん並べられていて、地球儀を回しながら、遠い異国の話に花が咲く様子が目に浮かびます。
(各国の名物アイテムが描かれている便利な地球儀と弘子さん)
5月19日、「義経」は54年目の暖簾を掲げました。お店には今日も、ラム肉と甘じょっぱいタレの香り、そして三姉妹の笑顔があふれています。
———–
ジンギスカン 義経(じんぎすかん よしつね)
札幌市北区北7条西5丁目
TEL:011-716-6801
営業時間:17:00~23:00
定休日:日曜日・祝祭日
———–