北大札幌キャンパスの「花木園」で、クロユリが満開になりました。
花木園はクロユリ群生地で、花の最盛期は例年5月下旬です。関東ですと高山地帯に咲く花ですが、北海道では低地にも見られます。実は、北海道の低地に咲くのは、エゾクロユリという違う種だそうです。
生物学的にみると、クロユリは染色体が偶数組になっている『2倍体』(2n=24)で、草丈は10cm~50cmの比較的小さいものが多く、一本につく花の数は1~2個です。これに対してエゾクロユリは、染色体のセットが3の倍数になっている『3倍体』(2n=36)で、倍数体の植物にはよくみられるとおり、草丈が高く(50cm程)、花数も多いのが特徴です。
『3倍体』は、自然界では『2倍体』の種から変異や交雑を経て生まれます。人為的に3倍体をつくる技術は、種なしスイカや大きな花の園芸品種をつくる育種の場面で使われています。
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