鴛鴦の憂鬱 工学部裏の溜池に、オシドリが一羽。 この季節にオスが独りとは、つがいのメスはどうしたのでしょう。 「オシドリの夫婦は、妻が死んでしまうと夫は悲しみのあまり後を追う」という言い伝えがあります。外敵からメスを守るためにオスが自ら囮になったり、メスのそばにオスがいつも寄り添う行動から、そのように言われるのでしょう。 しかし、ひとたび恋が成就してメスが産卵を終えると、オスは次のお相手を探しに旅立ちます。 オシドリが「オシドリ夫婦」でいられるのは、ほんの束の間なのです。 工学部の彼は、旅の準備をしているのでしょうか。 それとも悲しみにくれているのでしょうか。