札幌から高速道路で1時間の距離にある苫小牧研究林は、苫小牧の市街地に隣接する都市近郊型の研究林です。一部は市民に開放され、散策やバードウォッチングのメッカとして市民に愛される憩いの森になっています。そんなのどかな苫小牧研究林で、先週4月17日に火災訓練が行われました。新型コロナウイルス対策に追われつつも、例年通り開催された訓練やゴミ拾いの様子を紹介します。
【林忠⼀・北⽅⽣物圏フィールド科学センター/いいね!Hokudai特派員】
オンラインでの安全教育の後は避難訓練
朝一番、8時45分に教職員と大学院生は、いわゆる「三密」を避けるために各自オンラインミーティングアプリ「zoom」を利用して安全教育を受けました。引き続き9時半過ぎから避難訓練をおこないました。避難先は市道を挟んで庁舎の向かいにある公開駐車場。点呼が済み、全員避難の確認が出来たところで一旦解散。
池の水で放水訓練
次は10時過ぎから教職員による消防器機の使用訓練です。可搬式のエンジンポンプの運搬設置から始動までの手順を確認し、エンジンを始動。勢いよく池の水を汲み上げ放水します。放水ノズルの持ち手が交互に代わり、放水の感覚を体得していきます。
訓練の最後は森林記念館裏にある消火栓からの放水です。ところが20年近く使ってなかったせいか、さび水がひどくまた水圧も低いため、放水訓練には至りませんでした。しかし今回の訓練で問題点が発見され、万が一への準備に繋げることができました。
欠かせないゴミ拾い
お昼休みをはさんで午後からは市道沿いのゴミ拾いがおこなわれました。苫小牧研究林には林内を縦断する市道があり、誰でも通り抜けできるので、時として不法投棄がおこなわれます。そのため、研究林と隣接した林野庁森林管理局と苫小牧市水道局と合同で、毎年ゴミ拾いをおこなっています。森林管理局と水道局は市街地側の平坦な部分を担当し、北大は残りの三分の二にあたる林道を担当します。
さて、投棄しやすい急斜面では逆に回収がしにくいので、回収は大変な作業です。ゴミを見つけては斜面を降り、拾っては登るの繰り返しです。今年は好天に恵まれましたが、雨上がりなど滑るので要注意です。
幸か不幸か例年のように冷蔵庫や洗濯機といった大型家電ゴミも見つからず、いささか拍子抜けと言った職員の皆さんでしたが、これをマナーの向上と見るか、ゴミも出ない不景気とみるかで心持ちが変わりますね。ゴミ拾いのあと、16時から院生対象のガイダンスを再びZOOMで行って一日が終わりました。
学生や研究者は研究に、そして市民は憩いの場として利用する苫小牧研究林。どうか皆さん、利用されるときはマナーを守って気持ちよく利用してください。