札幌キャンパスの北西のほう、恵迪寮と野球場に挟まれた場所に「北海道大学 スポーツトレーニングセンター」があります。年末年始などを除き、土日や祝日も含めて毎日オープンし、年間のべ3万人の学生や教職員に利用されています。
ランニングマシンやラットプルダウン、ダンベルなど各種のトレーニングマシンがあり、体育系のクラブやサークルが利用しています。もちろん体育の授業でも使われていますし、一般の学生や教職員も利用することができます。
瀧澤一騎さん(高等教育推進機構 准教授)に、スポーツトレーニングセンターについて話をうかがいました。瀧澤さんは、このセンターを拠点に、体育系クラブやサークルの競技力向上や障害予防を支援しながら、スポーツ科学の研究を行なっています。
多くの人が利用していますね
特に夕方から、利用者が多くなります。でも、朝も利用者がいますよ。平日は朝7時からオープンしています。大学の授業が6限までとなって、遅いクラスでは夜7時45分に終わるようになったのを機に、そうしました。夕方お腹がすいた状態で閉館の夜10時までトレーニングするより、朝やったほうがよいと思ったのです。昼休みの利用者も多く、毎日やってきて汗を流す職員の方もいます。
トレーニング・メニューの相談にものってもらえるのですか
「競技力向上支援相談窓口」を開設しています。これまでに、私が監督をしている陸上競技部はもちろん、依頼のあった男女バスケットボール部、硬式野球部、陸上ホッケー部などの相談にのりました。いずれは、リサーチ・アシスタント(RA)の助けを借りるなどして、もっと充実させたいのですが…。
研究のほうは、どんなテーマでなさっているのですか
ウォーミングアップとパフォーマンス向上の関係や、筋力・筋パワーと競技成績の関係など、競技力の向上に直結するような研究に関心があります。
(「各種体力指標とアルコール分解能の関連」も研究テーマの一つ。左は呼気の測定器、右は実験中に被験者に読んでもらう漫画の本)
地域の特性を活かした研究もしています。寒い環境のもとで運動したときの生理学的な反応についてデータを取っていますし、いずれは雪上ランニングの特性についても調べてみたいと思っています。冬場の雪かきを体力の向上につなげることも手がけています。
(雪に見立てた重さ3キロの砂袋をスコップで斜面の上に投げ、滑り落ちてきたのをまた上に投げる)
北大の水産学部のご出身とうかがいましたが…
はい。卒論のテーマは、イカ釣り機とか漁網の巻き上げ機など、漁業機械でした。ただ学部時代からずっと陸上をやっていたので、大学院は北大の教育学研究科に進み、体育学を学びました。その後、新潟医療福祉大学の教員を経て、2010年に北大に来ました。
黄色のシューズ、素敵ですね
なかには、体育の嫌いな学生もいるじゃないですか、だから、こぎれいな格好をしていないと。昔のもっさいジャージ着てやっていると、「やっぱり体育って格好悪くていやだよね」と思われる。それがいやで、少しでも体育への抵抗感を減らそうと、前の職場でこの靴をはき始めました。フットサル用の靴なんです。
※ ※ 取材後記 ※ ※
陸上選手らしく小柄な瀧澤さんですが、選手にかけるかけ声の力強いことといったら圧巻です。
その瀧澤さんが、マラソンを例にウオーミングアップの効果について、サイエンスカフェで語るそうです。詳しくはこちらをご覧ください。