大型連休中の北海道大学総合博物館は、たくさんのお客さんで賑わっていました。1階ミュージアムショップ「ぽとろ」の店先に見慣れないガチャガチャが。よくみると「北大生プロデュース」「2023年度学生企画」のポップが貼られています。
きけば、これらはすべて大学院授業(理学院専門科目・大学院共通科目「博物館コミュニケーション特論」)の課題の一環として制作した成果物で、4/27から販売開始したそうです。制作に携わった学生さんに詳しくお話をききました。
博物館コミュニケーション特論は毎年開講されている人気の授業科目で、これまでにも多くのオリジナルグッズが制作され、ミュージアムショップ「ぽとろ」で販売されています。2023年度の履修者は修士と博士院生あわせて20名程度。過去の来館者アンケートや売り上げ実績を分析し、今年度作りたいグッズのプレゼン大会を行ないます。最終の判定をするのは「ぽとろ」の経営に関わるNPO法人 手と手 代表の浅野目祥子さん。当然ですが、売れる見込みの高いグッズでなくては商品化は認められません。商品カテゴリやデザインはもちろんのこと、原価率、価格設定までシビアな基準で評価されます。
この記事でご紹介する「北海道大学総合博物館オリジナルガチャ」は、そんな戦いを勝ち抜いて商品化まで漕ぎ着けた汗と涙の結晶というわけですね。それでは商品を見ていきましょう。
ガチャガチャの筐体は全部で4台。「北海道大学総合博物館オリジナルガチャ」というシリーズで、1台ごとに異なる種類の商品が入っています。このうち3種類が2023年度の成果物です。
1.北海道大学総合博物館オリジナルガチャ Vol.2 アクリルホテルキー
全7種類。500円。
博物館の展示物から代表的な物事をモチーフに使用。厚みのあるアクリル樹脂にプリントされています。ホテルキーをイメージして作ったそうです。それぞれモチーフにちなんだ数字が書かれていますがそれが部屋番号のようですね。本当はもう少し長いホテルキー型にしたかったが、ガチャガチャに収めるために工夫してこの形になった、とのこと。でもそれがかえって可愛らしいです。
ちなみにオリジナルガチャシリーズVol.1は2021年度成果物の「発掘!ランダムシール〜古生物&土器〜」。2023年度シリーズと同じ並びの筐体でガチャガチャできますが、制作当初はおみくじ式だったそうです。
2.北海道大学総合博物館オリジナルガチャ Vol.3 ラバーバンド
全8種類。300円。
写真では1種類のみですが大きく3パターンのデザインがあります。その全てに「The Hokkaido University Museum」の文字が。中には暗いところで光る蛍光素材でできたものもあります。制作段階で博物館所属の教職員の皆さんに相談したところ、とても好評だったそうです。価格も手頃です。
3.北海道大学総合博物館オリジナルガチャ Vol.4 フォトマグネット
全6種類。300円。
意外にも海外からの観光客の需要が高いマグネット。ぽとろの店頭でも「マグネットは売っていないか」と訊かれることが多いことから制作を決定したそうです。博物館の展示物や展示エリアの写真をモチーフに使用。恐竜やヒグマ、昆虫標本といった代表的なものだけでなく、もっと渋い(良い意味で!)瞬間を捉えたものもあります。博物館を訪れたことがある人が「あ、あの展示だ!」とほくそ笑んでくれたら嬉しい、とのこと。
こうして商品化に成功したグッズも、今後の売れ行き次第では在庫限りで終了となってしまうそうです。現在も店頭に並んでいる過去年度の人気作品と同じく、このガチャシリーズもロングセラーとなりますように!