北海道大学札幌キャンパスにある文学研究科・文学部のエントランスを入ると、明るく、アカデミックなスペース「書香(しょこう)の森」があります。2008年に設けられた「書香の森」では、文学研究科の教員が執筆した図書の展示と、それらの図書に関連する企画がおこなわれています。
「書香」は書物の香りを意味する漢語です。中国では、読書人・知識人の家を指して「書香の家」というように、「書香」には学問の気風の意味もあります。「書香の森」の名付けには、この空間を文学研究科の研究成果の一端を一所にまとめて展示した知的発信源の象徴にしていこうという思いが込められています。写真右上に見える題字は、書道の講義を担当していらっしゃる書家、紅林幸子さんの揮毫によるものです。
「書香の森」は2013年に改修され、『美術の北大』として、北大が収集・所有している美術作品の展示がおこなわれるようになりました。また、昨年から「プラス1ピースの読書会」として、昼休みに著者が自著を語る催しも開催されています。
実際の空間だけではありません。書香の森のウエブサイトには、それぞれの図書の書影、内容紹介、著者からのコメント、そして書評への外部リンクが充実しています。実際の空間とウエブの情報が連動しています。
研究推進室の森岡和子さんは「文学研究科の先生方は本をとても大切にされているので、一冊一冊の本を丁寧に紹介していきたい」と語ってくれました。
ぜひみなさん、書香の森に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。